研究課題/領域番号 |
24530997
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
篠原 清昭 岐阜大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20162612)
|
キーワード | 台湾 / 教育 / 民主化 |
研究概要 |
平成25年度については、主に90年代の教育の民主化のための教育政策の展開を、①政策文書や先行研究の分析、②当時の民主化運動のリーダー等への聞き取りにより分析した。本科研費研究は、大きくは台湾の教育の民主化政策を扱うものであるが、その政策過程は教育の民主化が民間教育運動によりスタートする「萌芽期」(1987年~1993年)、それを一定の圧力として政策化されていく「政策期」に分かれる。本年度は、「政策期」を対象として主に教育の民主化の重要な立法となる教育基本法の制定を分析した。また、「萌芽期」を対象として、民主化への移行において重要な社会的役割を果たした民間教育運動団体にスポットをあて、いくつかの民間教育運動団体の民主化運動を分析した。 今年度の研究の成果は、前者については「台湾における民主化と教育基本法」『岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)』62巻第1号、後者については「台湾における教育運動と民主化」」『岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)』62巻第2号にまとめた。また、中国国内での学会及び大学の招待講演を以下のように行った。「東亜細亜国家的民族主義与教育規範」中国首届全国民族高等教育論伝(7.11)、「東亜細亜的教育改革」(台湾・東亜大学 4,12)。 本年度の科研費の主要な使途は以下のようである。①文献・資料等の購入 行政院(教育部)の行政文書を採集し、時系列にデータベース化し、分析した。さらに、先行研究をていねいに採集し分析した。②ヒアリングのための渡航費 民主化運動のリーダー等への聞き取りのため渡航した。主に教育基本法の立法化に関係した研究者(台北教育大学周志宏教授)への聞き取りを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度においては、研究成果を紀要論文2本(「台湾における民主化と教育基本法」『岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)』62巻第1号、「台湾における教育運動と民主化」」『岐阜大学教育学部研究報告(人文科学)』62巻第2号)にまとめることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は主に大学の学生運動に焦点をあて、教育の民主化に影響を与えた学生運動の歴史的及び実証的研究を予定している。台湾では、過去においては1990年の学生運動(「の百合運動」)と今年3月~4月の学生による立法院占拠運動(「向日葵運動」)の存在がある。 今年度は主に当事者の聞き取り調査を方法として。二つの学生運動の比較分析を通じて、学生運動と教育の民主化の関係を考察する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
台湾現地の調査旅費を予定の額分使用しなかったため。 渡航費のための補填
|