• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

教員養成の高度化のための国立教員養成系大学・学部改革に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530998
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡大学

研究代表者

梅澤 収  静岡大学, 教育学部, 教授 (90223601)

研究分担者 成松 美枝  聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (40440812)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード教員養成システム / 教員養成政策 / 教員養成スタンダード / 教員養成カリキュラム / 教員養成大学・学部 / 大学ガバナンス / 国立大学改革 / アメリカの教員養成
研究概要

本研究は、国立教員養成系大学・学部のカリキュラム・組織・ガバナンスの面から基礎的な調査分析を行うともに、教員養成と現職研修を組み合わせた教員免許制度の先進例とされる、米国ウィスコンシン州等の教員養成システムに学びながら、日本の教育養成システムの特有性を活かした改革デザインをどう行うのかを考察するものである。
3年計画の初年次である本年度は、1.改革動態調査、2.歴史構造分析、3.米国調査にわたり、実現可能な全体計画を作成した上で、次のような取組を行った。
「改革動向調査」については、教員養成の政策動向とその内容を正確に把握した。野党民主党2法案から政権党時の2012年8月答申、その後のワーキングの審議過程の検討を行なった。また「ミッションの再定義」等の国立大学の新しい改革スキームが進行する中で、教員養成系大学・学部がどのような改革をどのように検討・実施しているのか、訪問調査等を行った。国立大学の教員養成改革アンケート調査については、基本的枠組みと内容を検討しているところである。
「歴史構造分析」については、所属する教育学部の歴史構造分析を行った。特に、国立大学全体・教育学部間においてカリキュラム・組織・ガバナンスがどのように変容・転換していったかに注目し、整理分析している。
「米国調査については、研究分担者の協力を得て調整を行った結果、事例調査の対象機関をウィスコンシン州立大学のミルウォーキー校(UWM)、マジソン校、及び州教育行政局とし、9月に訪問調査を行った。教員改革の政治的文脈のほか、大学独自で「UWM教員養成スタンダード」や「UWM教員養成評価モデル」を作成していることが判明した。また、教員組織(学部長選出方法含む)やカリキュラム等について聞き取り調査を行った。なお、学部長等は、学部教授会で選出するのではなく、大学理事会が選考委員会を置いて決定することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請研究は、国立教員養成系大学・学部のカリキュラム・組織・ガバナンスの面から基礎的な調査分析を、①改革動態調査、②歴史構造分析、③米国調査によって行うことで、日本の教育養成システムの特有性を活かした改革デザインをどう行うのかを考察するものであるが、「研究実績の概要」に示したように、現実可能な3年間の研究計画を再設計し、①から③までのそれぞれについて、平成24年度の当初計画にもとづいた研究作業に取り組むことができた。
したがって、自己点検による評価は「(2)おおむね順調に進展している」とすることとした。

今後の研究の推進方策

本申請研究の今後の推進方策について、平成25年度は次の通りである。1.「改革動態調査」では、日本の教員養成改革構想の政策動向について継続してフォローアップを行う。また、国立大学改革・教員養成改革に関する動態調査を、アンケート調査又は訪問調査によって行う。なお、これらの調査に院生や学術研究員の協力を得る。2.「歴史分析」では、戦後改革期とその後の展開を中心に行う。戦後の教育改革期に(旧)師範学校がどのように新制の国立教員養成系大学・学部に転換したのか、大学・学部の組織編成だけでなく、カリキュラム・授業内容・方法・評価(教育実習含む)がどのように転換していったのか、その変遷と特徴を実証的に解明する。国立教員養成大学の50(60)年史や保存資料(学生便覧等)を手がかりにしながら、国立教員養成系大学・学部における教員養成カリキュラムと組織編成の具体的展開を実証的に分析する。3.「米国調査」では、前回訪問調査を行ったウィスコンシン州立大学・ミルウォーキー校のフォローアップ調査を、研究分担者の協力を得て実施する。2年次調査では、政策動向や教員養成システムの制度概説やカリキュラム・授業実践の解説に留まるのではなく実情がつかめるようにする。
本申請研究の今後の推進方策について、平成26年度は次の通りである。
本申請研究の3年次となる平成26年度においては、1から2までのそれぞれの研究成果と課題を確認しながら、報告書にまとめる。また、本研究の最後の研究年次となるので、その成果と課題を整理して学会発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の残金分としての研究分担者の350,016円は25年度の米国調査費及び物品費に使用する予定である。
平成25年度は直接経費90万円の配分を受ける予定である。その使用計画は次のとおり。
(1)「改革動態調査」では、国内旅費や調査費として35万円をあてる。
(2)「歴史分析」では、関連資料収集及び国内外の関連文献収集の費用として35万円をあてる。
(3)「米国調査」では、ウィスコンシン州立大学・ミルウォーキー校のフォローアップ調査費として20万円をあて、研究分担者に配分する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 静岡大学教育学部・教育学研究科の改革への取り組み

    • 著者名/発表者名
      梅澤 収
    • 学会等名
      秋田大学教員免許状更新講習推進センター
    • 発表場所
      秋田大学(秋田県)
    • 招待講演
  • [学会発表] 米国ウィスコンシン州の教員養成改革の政治的社会的文脈:その全体像

    • 著者名/発表者名
      梅澤 収
    • 学会等名
      アメリカ教育改革調査研究会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
  • [図書] 教員養成高度化に対応する国立大学の課題と展望2013

    • 著者名/発表者名
      梅澤 収
    • 総ページ数
      全22ページ
    • 出版者
      静岡大学教育学研究科プロジェクト報告書

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi