研究課題/領域番号 |
24530999
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
南部 初世 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (40263058)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ドイツ / 教育行政職員 / 専門性 / 学校監督 / 学校行政 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究第1年目である本年度の研究成果は、2つに大別される。 第一は、行政学及び教育学領域における職員の専門性に関する歴史的分析であり、行政学領域及び教育学領域における職員の専門性に関する内外の文献・資料を収集し、領域ごとに時系列で整理した。その際とりわけ、教育職員と教育行政職員の専門性の差異に着目した。 第二は、ドイツ全州における学校監督及び学校行政改革の分析であり、教育改革動向に関わる資料を広く収集するとともに、教育行政・経営の専門雑誌、教育情報誌等を収集し、ドイツ全州の動向について分析を行った。また、ドイツ教育行政・経営学会が公表している研究成果を分析するとともに、学会ネットワークを活用して各州の動向把握を行った。 その結果、実際の学校監督における課題については、学校監督行為そのものの有効性や学校監督の役割コンフリクトという根源的な課題の他、学校監督官の業務負担、学校訪問を受け入れる教員の負担、学校監督官の個人差等の実践上の課題が存在することを明らかにした。ドイツでは90年代後半以降、「学校の自立化」政策によって、学校の内部評価と外部評価の連結システムが模索され、こうした「評価」に関わる任務が新たに学校監督に割り当てられてきた。それは具体的には、評価の基盤となるスタンダードと「質の枠組み」の設定、評価計画の策定、評価チームの投入、評価結果の検証、システム評価等であるが、新たに、個々の学校における質の開発及び保証のイニシアティヴをとることと、「対話」という形で学校開発プロセスに同行することが、つけ加えられてきている。こうした任務が、各州における「目標協定」制度導入により、さらにどのように変化しつつあるのかを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NPM型行政改革に由来する教育改革が進められ、ドラスティックに変化しているドイツの教育行政について、その担い手(学校監督官及び学校行政担当地方自治体職員)に着目し、各州における実際の職務及び必要とされている専門性の概要について、おおむね把握しつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
ドイツ国際教育研究所(DIPF)教育計画・財政研究部所属の研究者と十分に連携し、助言と専門的知識提供を得ながら、2013年度の計画に従って研究を実施する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
|