研究課題/領域番号 |
24531000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中嶋 哲彦 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40221444)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 子どもの貧困 / 就学援助 / 義務教育無償制 / 教育扶助 |
研究概要 |
イギリスの子ども貧困法(Child Poverty Act of 2010)に基づいて政府が策定した子ども貧困削減戦略(Child Poverty Strategy, 2011)を分析し、それが就労促進による経済的自立支援を基本とするものであること、したがってブレア政権の想定した再分配制度を重視した貧困対策とは異なることを確認した。また、地方公共団体における具体化(地域戦略の策定)・実施過程の例としてシェフィールドの資料を収集し分析を開始した。 また、わが国の就学奨励制度と生活保護制度(教育扶助)の成立過程を分析し、それらの成立時において総合的な貧困対策の構想が確立されていなかったことを確認した。さらに、現行の義務教育無償制と就学援助制度との関連について教育法的視点から分析し、その成果を教育法学会の刊行物にまとめた。 なお、就学奨励(準要保護分)に対する国の援助の一般財源化を、地方公共団体の政策立案・決定者がどのように受け止め、どのような判断をしたか、またその判断の根拠はどこにあったのかを明らかにするための調査を予定していたが、これには着手できなかったため 来年度の課題とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
就学援助に関する調査には若干の遅れが生じているが、イギリス子ども貧困法や貧困削減戦略の分析については予定を繰り上げて実施し一定の成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
就学援助に関する調査を実施する。また、教育特区の実態とその規制緩和措置の全国化のプロセスと公教育の実態及び、高等学校の教育課程基準の規制緩和による高等学校制度改革の実態の解明を予定してしている。 また、地方教育行政制度の大きな改革が検討されており、本研究テーマにも深く関連するため、教育委員会制度改革と教育政策決定の変動も視野に入れる。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は、教育特区の実態とその規制緩和措置の全国化のプロセスと公教育の実態の解明を課題とする。その際、教育委員会制度改革と教育政策決定の変動も視野に入れる。
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