教員免状制度「職業指導」は他の校種・教科とは異なる成立要因を持っていた。それは戦後の教員免許状の一つとして、元来中・高校の「職業指導」は教科ないしそれに準ずるものと位置づけられていた。このことは、戦後の教育理念に基づくことと同時に、戦前から独自の役割を担っており、他の教科とは異なっている。それ故にその後の教育の教育内容や卒業後の進路状況の変化によって、職業指導を機能不全とし、その機能や教育的価値は見過ごされることとなった。さらに、現代におけるキャリア教育の必要性はこれを担当する教職員の専門的能力を要請するものの、「職業指導」免許状の趣旨が活かされない状況を発生させている。
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