研究概要 |
1,第一年度に調査した福岡県大牟田市、大阪府千里ニュータウン、兵庫県武庫川団地を事例として「日本における社会教育の再編と福祉の結合」というテーマで2013年4月にInternational Conference Social Pedagogy in Finland and a Comparison of Japan and Korea (名古屋大学)で報告した。フィンランド、韓国との比較の議論であったが、高齢者問題への社会教育学の新しいアプローチとして注目された。 2,第一年度に収集した文献資料をもとに、2013年9月に日本社会教育学会において都市近郊団地にみる社会教育とソーシャル・キャピタル蓄積・展開の過程関連に関する研究」 (日本社会教育学会第60回研究大会 東京学芸大学)として建築学・住宅学、及び社会教育学の従来の研究を整理し、学際的な分析枠組みを試論的に報告した。新しい試みであったが、教育学研究としては未知の領域であったため、建築学を始めとする隣接領域との学際的統合の必要性についての関心を高める報告となった。 3,日本社会教育学会での報告をもとに、「都市近郊団地にみる社会教育とソーシャル・キャピタルの蓄積・展開の関連に関する研究(1)」(佐賀大学文化教育学部研究論文集第18集第2号 2014,1 1-16頁)を発表した。学会報告時には不十分であった国にコミュニティ政策に関する動向を整理し、その上で今日の都市近郊団地で生起している問題と課題について整理した。 4,さらに全国的な状況を詳しく調べるために、東京市政調査会の専門図書館を数回にわたって訪問し、雑誌等も含めた資料をほぼ収集した。また研究協力者の山下教授(工学院大学)から今後の調査方法についてアドバイスを得ることができた。
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