研究課題/領域番号 |
24531016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
高月 教恵 福山市立大学, 教育学部, 教授 (40270011)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幼保一体化 / カリキュラム / 保育実践 |
研究概要 |
本研究は、0歳から小学校入学までの子どもの保育を一貫したものと捉え、幼保一体化における統一した保育実践をふまえたカリキュラムを構築するための予備的研究である。21世紀になった今日、女性の就労と少子化が進み、子育ての社会化が強く認識されはじめている。子育ての社会化については、これまで伝統的に二つの文脈で行われてきた。一つは、幼児教育の伝統をふまえた教育の文脈の幼稚園であり、もう一つは、親の養育に欠ける子どもを保育するという福祉の文脈の保育所(園)である。しかし、今日、幼保一体化が政策的に課題となり、そのためのカリキュラムを検討する必要がある。そこで、幼稚園・保育所(園)の子ども観、従来の幼稚園・保育所(園)における保育実践・カリキュラム、近年の保育実践研究(現職研修)から保育現場が求めている保育実践・カリキュラムについて考察する。これらの歴史的、実証的研究は、今日の幼保一体化における政策課題を検討する上でも、幼保一体化のための統一した保育実践をふまえたカリキュラムの構築を検討する上でも、重要な示唆を与えると考える。 (1)幼稚園・保育所(園)の子ども観:石井十次の事業を物心両面で支えた大原孫三郎(倉敷紡績社長、1880~1943)の経営理念に基づいて、保育所「若竹の園」創設の理念について考察をし、孫三郎の子ども観・女性観を明らかにした。 (2)従来の幼稚園・保育所(園)における保育実践・カリキュラム:保育所「若竹の園」の資料収集、整理を行い、保育日誌(1925年9月4日~12月31日)を復刻して、保育実践の実際を明らかにした。 (3)保育実践研究(現職研修)から保育現場が求めている保育実践・カリキュラム:岡山県を中心に、保育現場における研究組織の変遷(明治17年~現在)を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幼稚園の子ども観、カリキュラム・保育実践についての検討は、資料収集に時間を要しており、研究成果を公表するに至っていないが、今後は奈良女子高等師範学校附属幼稚園を中心に、保育案、教育課程、保育日誌、保育実践記録等の資料収集、整理をして研究を進めるつもりである。その他については、進捗状況に示したとおり、研究計画に従って研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1.幼稚園・保育所(園)の子ども観の文献研究、検討 2.保育所「若竹の園」のカリキュラム、実践(内容・方法)に関する資料収集、検討 3.奈良女子大学附属幼稚園のカリキュラム、実践に関する資料収集、検討 4.戦後の現職研修および岡山県の保育実践研究(現職研修)の資料収集、検討 5.検討結果を論文にまとめる。そして、研究成果を、保育学会、幼児教育史学会において発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残金は、購入予定であったデジタルカメラが不要になったため等によって生じたものである。当該残金および平成25年度の研究費は、申請時の計画にしたがって、文献購入費、資料収集・整理や聞き取り調査のための旅費や人件費・謝金、論文にまとめるための諸費用に充てるつもりである。
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