研究課題/領域番号 |
24531017
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
中山 博夫 目白大学, 人間学部, 教授 (80406561)
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研究分担者 |
多田 孝志 目白大学, 人間学部, 教授 (50341920)
和井田 清司 武蔵大学, 人文学部, 教授 (50345542)
成田 喜一郎 東京学芸大学, その他部局等, 教授 (80456251)
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キーワード | ESD / 教員研修 / 環境 / 多文化共生 / コミュニケーションアクティビティ / 学習指導要領 / 持続可能な社会 / 代替え案 |
研究概要 |
ESD(持続可能な開発のための教育)の理論研究と実践分析に基づいて、どのような研修を実施することで、ESDを推進する力になるかを探究してきた。 以下の学校・教育委員会において実践事例を収集した。①東京都江東区立八名川小学校(地域素材を生かした実践、多文化共生を目指した実践、防災意識を高める実践、環境教育を中心とした実践等)、②東京賢治シュタイナー学校(農業活動を重視した実践等)、③オーストラリアNSW州ジョンパーチャス小学校(環境教育を重視した総合活動的な国語践、多文化教育を視野に入れた人権教育実践等)、④オーストラリアNSW州ローズビル小学校(多文化共生教育の実践、ESL指導における文化尊重実践等)、⑦東京都世田谷区立喜多見中学校(各教科におけるESD指導等)。 2014年にESD国際総括会議が開催される名古屋市の小学校・中学校教員を対象として、昨年度から開発してきた研修プログラムを実施して、それに対する教員の意識がどのように変容するかを調べてきた。調査に協力してもらった学校・研究団体は以下の通りである。①名古屋市立蓬来小学校、②名古屋市立内山小学校、③名古屋市国際理解教育研究会である。試験的に実施した研修プログラムは以下の通りである。①持続可能な社会とそこで求められる能力、②学習指導要領と持続可能な社会に関連する指導、言語活動重視した指導のお在り方、③コミュニケーション能力を重視したアクティビティ活動、④共生意識を高めるアクティビティ活動である。 アクティビティ活動を重視した調査を行った。その内容は以下の通りである。①10人と握手(心をひらく)、②一つの質問(心をひらく)、③聴いて要約(聴く)、④世界の大問題(話す)、⑤二人でディベート(話し合う)、⑥代替え案を考える(話し合う)、⑦創作叙事詩(感じ合う)等である。 試験プログラムを実施して、協力者からの反応を記録した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年にESD国際総括会議が開催される名古屋市の研究力校や研究協力団体の好意的な協力によって、2校の研究協力校、研究協力団体1団体において研修プログラムの試験実施を行いデータを収集することができた。 それらのデータからは、アクティビティの参加体験型の研修の中に持続可能な社会に関する要素を入れ込むことによって、ESDの重要性が浸透していくことが分かった。そして、コミュニケーションアクティティの体験型研修によって、児童・生徒への指導方法への新たな視点が拓けていけることが、データからは読み取れた。 以上のような積み重ねが、3年度の研修プログラムや授業研究の基礎となる。
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今後の研究の推進方策 |
2014年にESD国際総括会議で実践発表を行う学校教員や研究協力団体会員を対象として、以下のような研修プログラムを実施して、その反応データを収集する。さらに研究協力校における授業研究に参与し、研修プログラムがどのように授業研究に活きるのかを明らかにする。 研修プログラムは次の2種類である。①複数回の校内研修プログラム、②夏季休業中の一日集中研修プログラムである。①は、ESDが校内研修に取り上げられている場合に実用可能なプログラムである。②は、ESDが特に校内研究に取り上げられていない場合で実用可能な研修プログラムである。理想的には1週間の集中プログラムの方がよいであろうと考えた。だが、研究協力校の管理職、研究協力団体の会員から意見聴取したところ、教員の勤務状況から考え、それは実施困難であろうという意見をいただいた。そこで、一日プログラムを計画することにした。 それらのプログラムを実施するにあたり、昨年度の研修プログラムの試験実施からのデータを再度精査し、その有効な部分を結集して研修プログラム案を実施する。 実施については、ユネスコスクールである名古屋市立笹島小学校・笹島中学校(小中一貫校、帰国児童・生徒受け入れ推進校)で①複数回の校内研修プログラムの試験実施をする。そして、名古屋市国際理解教育研究会において、②夏季休業中の一日集中研修プログラムの試験実施を行う。 さらに、名古屋市立笹島小学校・笹島中学校のESD校内研究に参与して、研修プログラム研修プログラムがどのように授業研究に活きるのか、ESD推進に対する教師の意識がどのように変化するのかについて、そのデータを収集し、その分析によって研究のまとめを行う。
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