研究課題/領域番号 |
24531021
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堀本 麻由子 東海大学, チャレンジセンター, 准教授 (70512630)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 成人教育方法 / リーダー教育 / 成人学習論 / 企業教育 / 生涯学習論 / 社会教育 / 実践研究 / アクションリサーチ |
研究実績の概要 |
本研究は、省察的実践によるリーダーの質問する力の育成方法の解明を目的としている。そのために、アクションラーニングの概念を用いた方法論に着目し、筆者の日本での実践と米国研究者による実践を比較検討することで、リーダーの質問する力とは何かを明らかにし、リーダ-の質問する力の育成方法を成人教育学の観点から提案することが研究の目的である。今年度の研究実績について以下、二つの観点から報告する。 一点目は、国立女性教育会館主催講座「ダイバーシティ推進リーダー会議」(5月)、「企業を成長に導く女性活躍推進セミナー」(10月)に基づいた実践研究である。講座の企画および講師を行い、受講生(女性管理職)4名に対して、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査の分析から受講者の学習ニーズの変容をカリキュラム開発の観点からまとめ、日本社会教育学会大会(福井大学)の自由研究発表「リーダーの質問する力の育成方法に関する研究(その3)―国立女性教育会館主催講座「ダイバーシティ推進リーダー会議」の検討から―」で報告した。以上の実践研究は博士論文の終章に加筆する。 二点目は、女性リーダー育成に関する海外研究者との共同研究である。11月にAcademy of Human Resource Development(AHRD)のアジア大会(ソウル)に参加し、「Asia Women in Top Management」のタイトルで8カ国の女性研究者と共同報告を実施、さらにその報告をAHRDの学会誌(Human Resource Development International,Vol 18, no.4)に共著「Asian Women in Top Management: Eight Country Cases」として投稿し、受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では①実践研究(社会人向け講座と大学生向けリーダー講座)の継続的な実施、②平成25年度末までに博士学位論文の本提出を行う、③国内外の学会での研究成果の発表の計画と実施、が目的となっている。 ①については国立女性教育会館での実践研究が中心となっているが、研究の目的はおおむね達成しており、③については、単に海外研究者との意見交換だけでなく、共同研究を実施することで予想以上の実績がでている。しかし②については、平成26年5月に博士論文指導教員の変更などもあり、提出が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、博士論文提出と海外学会での発表を研究の中心に据える。 ①お茶の水女子大学に9月提出を目標として博士論文を完成する。指導は冨士原紀絵准教授に依頼し、執筆を進めている。 ②11月にマカオで実施されるThe 14th International Conference, the Asia Chapter of Academy of Human Resource Development で「日本におけるリーダー育成の方法論」に関する自由研究発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年2月に米国で行われるAcademy of Human Resource Development 国際大会(セントルイス)で研究成果を報告予定であったが、アジア8カ国の女性研究者による「アジアにおける女性リーダー育成に関する研究」(平成26年11月AHRDアジア(ソウル)大会)での発表と共同研究のHuman Resource Development International(平成27年2月締切)への投稿を優先したため、米国大会に不参加となり、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今後の研究推進方策①と②を遂行するため、昨年度未使用額の413,587円を以下のように使用する。 ①博士論文完成のため、設備備品(図書費)50,000円、消耗品20,000円、人件費50,000円、交通費10000円(お茶の水女子大学の図書館利用)として使用、②マカオでの学会発表参加のための旅費、発表資料作成費用として、290,000円を使用したい。尚、米国大会ではなく、アジア大会での発表に変更した理由としては、過去2回アジア大会に参加したことで、研究に関する人脈が構築できたこと、アジア大会においても世界各国からの研究者とディスカッションができることが判明したことがあげられる。
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