本研究は職場の実践をもとにリーダーの質問する力の育成方法の解明を目的としている。そのために、アクションラーニングの概念を用いた方法論に着目し、筆者の日本での実践研究と米国研究者らによる実践研究を比較検討することで、リーダーの質問する力は何かを明らかにし、リーダーの質問する力の育成方法を成人教育学の観点から提案することが研究の目的である。 今年度は本研究の最終年度であることから、研究成果の発表と今後の研究展開のための企画が主な研究活動となった。研究成果の発表としては、博士学位論文「アクションラーニングの実践と理論―実践から学ぶとは何か」(仮)の仮提出(2016年3月)をお茶の水女子大学大学院(冨士原紀絵准教授)に行い、修正を経て2016年10月に本提出を予定している。次に、今後の研究活動の展開のために、2015年5月に米国ボストンで行われたNAFSA年次大会ポスターセッションにおいてテーマ「Global Citizenship Education Program through PBL/CBL at Tokai University」の共同発表を行い、高等教育におけるリーダーシップ育成の方法論の検討に取り組む予定である。さらに、アジアにおける女性のリーダーシップ・リーダー育成に関する研究もすすめており、国際研究協力者2名と2015年11月に合同ミーティングを実施し、2016年以降の、アジア女性のリーダーシップ・リーダー育成に関する継続的な研究活動を確認した。その結果、2017年に国際共同研究プロジェクトによる『Asian Women in Leadership』の刊行が決定し、女性リーダー育成に関する研究は平成28年度科研費(基盤研究C)として採択された。
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