本研究は、アメリカ合衆国の学術学会内に女性会派が誕生し専門学会へと発展していく中、どのような女性研究者支援政策が提言されたのか、さらに、専門学会となった女性会派が、当該学問分野の変革をどのように試みたのかを解明することを目的する。ケーススタディとした三つの専門学会は、共通して、研究の主体としての女性の地位の確立のために、(1)学術学会内および高等教育制度内のあらゆる性差別の撤廃、 (2)家庭という私的な領域に属する諸問題、とりわけ、妊娠、出産、そして育児という従来は私的な問題とされていた問題を学術研究および女性研究者支援政策に組み込んでいくべきであることを要求し、具体的な政策提言をおこなった。
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