(1)フィールドワーク関連:①愛知県新城市作手地区の小学校・山村交流施設建設では、小学校図書館+地域図書室のつくりについて、2016年度はとくに地域の図書グループに協力して地域図書室の仕様について検討し、施設は3月に竣工した。開館イベント時には、室内の設えなどについて、地域住民から一定の評価を得た。科研の研究期間はここで終了するが、図書グループを基盤として立ち上げられた地域のブッククラブと、次年度以降協働して、新しい図書室(および学校図書館)の運営について、計画し実践に取り組んでいく。②愛知県犬山市の学校改築では、設計者と協力しながら、学校図書館+地域図書館を核とする新しい小学校の基本設計をつくった。とくに図書館の構成を「低学年」+「高学年・地域図書館」という組み合わせで実施する。これまでの研究の成果を活かした基本設計は、教育委員会の学校建設方針としても十分な賛同を得た。来年度は、この方針に沿って、実施設計を行う。③三重県志摩市での実践では、子どもたちの原案によるステンドグラス作成のWSを行った。成果物は、新校舎のエントランス付近に設置される。子どものWSは、教委からも評価されており、次年度もメニューを変えて取り組む。 (2)調査では、松江市の学校図書館支援センター、福井市の安居中学校、岩手県紫波町図書館など、図書利用環境の点に注目して、情報収集をすることができた。とくに松江市で得られた情報は、犬山市の教育委員会の担当者からも、今後の学校図書館運営の参考としながら、新しい学校図書館の整備に活かせるものと評価された。 (3)2016年夏の日本建築学会では、作手地区の小学校建設で実施した教職員を中心とするワークショップの内容を総括して報告した。2016年度の研究成果は、2017年度の建築学会大会で報告するべく、応募を完了した。
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