本研究では、幼稚園から高等学校、大学にまで至る教師、保育士が、個別的な実践の状況において子どもにとってより善い方向へと向けて振る舞える能力を「教育的タクト」とし、教師の専門性の一環として位置づける。 まず、教育的タクトおよび教育に関する諸概念を原理的に検討し、定義付けを行った上で、タクト豊かな教師を育成する方法を実証的に探究した。①子どもが生活世界をどのように経験しているかを現象学的に理解する②実践の中で出会った子どもとの状況をリフレクションし、その意味を考察する。この2つの方法をリアリスティックアプローチを取り入れながら実践し、その効果を検証した。
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