本研究は保育者の生活の状況としてワーク・ライフ・バランス,保育の質として「学びの基礎力」に着目し,両者の関係性を明らかにすることを目的とする。質問紙調査等を通して,保育者の理想と現実の生活には乖離があること,ワーク・ライフ・バランスの満足度が高い保育者は,保育の評価も高く,「積極的なかかわり」を保育に取り入れる傾向があることが明らかとなった。また,保育者が質の高い保育を認識することで,行動も質の高い保育へと変化していくことも明らかとなった。保育者のワーク・ライフ・バランスの実現をはかることは,「学びの基礎力」醸成に寄与し,保育の質の向上につながると考えられる。
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