研究課題/領域番号 |
24531043
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
志々田 まなみ 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (30435044)
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研究分担者 |
熊谷 愼之輔 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30325047)
佐々木 保孝 天理大学, 人間学部, 准教授 (30403596)
天野 かおり 尚絅大学, 比較文化学部, 准教授 (20551625)
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キーワード | 学校・家庭・地域の連携・協力 / コミュニティ・スクール / 学校支援地域本部事業 / 地域とともにある学校 |
研究概要 |
社会全体の教育力の向上を図るための制度や事業として現在、学校支援地域本部事業(地域本部)とコミュニティ・スクール(CS)の二つの取り組みが行われている。地域本部は、地域コーディネーターを中心に積極的な活動がなされているが、補助事業であるためその継続性や運営の安定性が危惧されている。一方、CSは地域本部に比べ強固な教育制度に基づく安定的な運営が可能となっているが、地域コーディネーターや実行組織(実働部隊)の人材不足が懸念されていたり、学校評価活動などのCSの他活動に支障をきたすといった問題指摘がなされている。 そこで、地域本部とCSの双方に潜む問題を乗りこえるには,互いの弱みを補い,それぞれの強みをいかして両者を連携させて取り組んでいくのが有効な手立てと考えられる。地域本部事業にも取り組み,積極的に両者を結びつけて運営しているCSの事例を取り上げ,その運営タイプの特徴について分析をおこなってきた。 昨年度は12校のCSにてヒアリング調査を行い運営タイプの分類を試みた。その際、校長やCS担当教員のリーダーシップのもとで学校が望むボランティア活動を地域住民に要請する傾向にあるのか,あるいは,地域コーディネーターや学校支援ボランティアが一定のイニシアティブをとっているのかという「学校主導」・「地域主導」という軸と、地域本部事業における「地域教育協議会」(名称は異なっていても同様の機能をもつ組織も含む)の有無に着目し,運営タイプを4分類した。 本年度はそのヒアリング調査結果を踏まえ、文部科学省が公表している学校運営協議会制度導入校リストと、学校支援地域本部事業の指定を受けている学校リストを照合し、両方を実施している全国464校に対し、2013年8月~2013年9月にかけ質問紙を配布し、調査を実施し、運営タイプに関する定量的な分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画当初に想定していた文部科学省のモデル事業のみに調査対象を絞ることなく、各都道府県教育委員会から推薦のあった実績のあるコミュニティ・スクールに非構造化インタビュー調査を実施し、その結果に基づく定性的な学校運営モデルの分析をすすめてきた。今年度はこれまでの成果を踏まえ、全国的な実態と充実のための改善案を検討するためのアンケート調査を実施することができており、さらなる運営モデルの精緻化を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
予備調査的な12校のヒアリング調査と、それを踏まえた全国アンケート調査によって、CSと地域本部の連携による運営のタイプ化とその特徴については明らかになった部分も多い。しかし、学校、家庭、地域からの代表者たちによってどのように議論され、事業に関する意思決定が行われているかについては、アンケート調査だけでは理解することはできない。そこで、4つに分類した運営タイプごとにもう一度ヒアリング調査を実施し、情報収集を行う必要がある。なかでも、地域主導で地域教育協議会にとって運営されているタイプの特徴については、該当する17校すべてを回り、地域教育協議会内での「大人の学び」の実相について分析を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
ヒアリング調査に行く予定であったが、相手校との調整がつかず次年度に繰り越したため。 旅費として使用
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