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2013 年度 実施状況報告書

民俗芸能の危機と教育の可能性:岩手県陸中海岸の伝統文化の再生をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 24531052
研究機関岩手大学

研究代表者

川口 明子  岩手大学, 教育学部, 教授 (50466512)

研究分担者 見市 建  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457749)
木村 直弘  岩手大学, 教育学部, 教授 (40221923)
キーワード民俗芸能 / 岩手
研究概要

本研究は、2011東日本大震災後の岩手県における地域と学校とが連携した民俗芸能の後継者育成の過程をドキュメンテーションし、伝統文化再生の教育プログラムを提示することを目的とする。平成25年度には、前年度に引き続き、以下の研究を行った。
1、代表者と分担者が、岩手県の民俗芸能の現状の情報収集と基礎調査を継続した。(1)岩手県の民俗芸能についての文献収集と資料の整理、(2)大学生を対象とするアンケート「民俗芸能自分史」を昨年に引き続き実施した。
2、事例研究(1)普代村の鵜鳥神楽について、鵜鳥神楽保存会の活動、普代小学校・普代中学校での伝承活動、「鵜鳥神楽こども教室」(小学生対象)の活動等を継続調査した。連携研究者の橋本裕之氏の発案により、昨年度、新しい試みとして開始された普代小学校における「子ども神楽宿」も、研究者チーム・保存会・学校の連携により内容に工夫を重ね、2014年1月23日に2回目を実施することができた。調査には橋本氏と研究協力者の中川真氏、岩澤孝子氏が携わった。小学生が「宿主」となって神楽衆を「神楽宿」である小学校に迎えての体験学習に、深まりが見られた。
(2)岩泉町の中野七頭舞についても、岩泉高校における活動について継続調査を代表者が行った。
3、鵜鳥神楽保存会を招聘し、次のフォーラムを開催した。フォーラム「社会実験としての神楽宿」日本音楽学会東日本支部第21回定例研究会、2014年3月22日、岩手大学桐丘荘、報告者:橋本裕之(追手門学院大学)・中川真(大阪市立大学)、コーディネーター:木村直弘(岩手大学)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の研究の柱は以下の3点から成る。
1、岩手県の民俗芸能の現状の情報収集と基礎調査を継続し、新聞等の記事についても考察した。大学生を対象とするアンケート「民俗芸能自分史」の継続実施により、学生自らの出身地域の民俗芸能のあり方や現状を再認識する教育的な効果も得られた。
2、事例研究(1)普代村の鵜鳥神楽については、子どもや若者への伝承に力を入れた動きが見られ、保存会と学校と研究者チームとの連携を柱に調査・研究を深めることができた。(2)岩泉町の中野七頭舞についても、岩泉高校における活動について継続調査を行い、震災後の活動経過について考察した。
3、神楽についてのフォーラムを実施し、震災後の神楽宿の状況について紹介・討論する場を設け、意義があった。
以上より、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

3年間の研究のまとめとして、以下の4点を柱として研究を推進する。
1、岩手県の民俗芸能についての調査・情報収集の継続と資料のまとめ
2、事例研究のフィールドデータのまとめと検証:東日本大震災後の地域と学校とが連携した後継者育成のあり方・提示した教育プログラムの意義を中心に検証する。
3、無形文化財の動態保存のための記録作成の方法論の検証
4、教員養成における民俗芸能の教材開発:これまでの大学生へのアンケート調査の成果を踏まえ、民俗芸能を通した様々な教育の可能性について高い意識を持った教員を養成することを目指す。

次年度の研究費の使用計画

平成26年度は3年間の総括として、記録や資料のまとめに費用がかかるため、H25年度の予算の一部を次年度に使用することとした。
3年目の研究のまとめの年として以下の使用を計画している。
(1)旅費:民俗芸能の調査・資料収集を継続的に行う。事例研究の調査地へのフィールドワーク以外にも、資料収集のための出張費も含む。(2)調査や資料のまとめの記録制作費 (3)人件費・謝金:資料整理等のアルバイト等 (4)物品費:調査のための機材や消耗品、資料代等

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 平泉諸寺祭礼曼荼羅のサウンドスケープ ~哭きまつりと印地打が根ざすもの2014

    • 著者名/発表者名
      木村直弘
    • 雑誌名

      岩手大学教育学部研究年報

      巻: 73 ページ: 75-96

    • 査読あり
  • [学会発表] 「フォーラム 社会実験としての神楽宿」

    • 著者名/発表者名
      木村直弘(コーディネーター)  橋本裕之(報告者) 中川真(報告者)
    • 学会等名
      日本音楽学会東日本支部第21回定例研究会
    • 発表場所
      岩手大学 桐丘荘
  • [学会発表] 橋本裕之氏と「社会実験」としての民俗芸能復興支援~政策学からのアプローチ

    • 著者名/発表者名
      見市建
    • 学会等名
      民博共同研究「災害復興における在来知~無形文化の再生と記憶の継承
    • 発表場所
      岩手県立大学
  • [学会発表] Saving folk performing arts for the future: A challenge for Unotori Kagura after the Great East Japan Earthquake of 2011

    • 著者名/発表者名
      Miichi, Ken
    • 学会等名
      International Conference on The Demography of Disasters: Implications for Future Policy on Development and Resilience
    • 発表場所
      Australian Nasional University, Australia
  • [図書] 東アジア海域叢書第16巻「平泉文化の国際性と地域性」2013

    • 著者名/発表者名
      木村直弘
    • 総ページ数
      310 (65-94)
    • 出版者
      汲古書院

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公開日: 2015-05-28  

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