研究課題/領域番号 |
24531060
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
見世 千賀子 東京学芸大学, 国際教育センター, 准教授 (80282309)
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キーワード | オーストラリア / 市民性教育 |
研究概要 |
本研究は、オーストラリアにおいて、多文化市民社会の構築および見識ある市民の育成に向けて、取り組まれているシティズンシップ教育の理論、政策、実践を明らかにすること、および、多文化化の進む日本の学校における多様性への対応と市民性の育成に向けた取り組みとを明らかにすることを目的とする。そして、日豪の取り組みを比較検討し、それぞれの特質と課題を明らかにするとともに、それらを踏まえたうえで、多文化共生社会の構築に向けた日本型の市民性教育の理論と実践モデルを検討し、構築することを最終目的としている。平成25年度は、主に、次の2点、1.日本国内における資料・情報収集、2.オーストラリアにおける資料・情報収集、および分析、検討作業を行った。特に、オーストラリアにおける取組の事例として、ビクトリア州メルボルンにある移民博物館における教育プログラムに着目した。そこでは、学校と博物館との連携において、多文化社会の市民の育成に関連して、オーストラリア社会の多様性に関する理解、異文化理解、多元的アイデンティティ形成等に焦点を当てた、参加型学習による興味深い取り組みが行われていることが明らかとなった。しかし、この取り組みをすべての学校で行うのは当然困難である。ナショナルカリキュラムにおいて、シビックス・シティズンシップ教育が明確に位置づけられる中、すべての学校においてどのように、市民性教育が展開されていくのかは、今後も調査を進める必要がある。また、移民博物館の教育プログラムを手がかりとして、日本における実践モデルを検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における目的の一つであるオーストラリアにおける市民性教育の実践の一端を、今年度は明らかにしていくことができた。しかしまだ、実践の収集は、必ずしも十分なものではない。また、日本における実態の解明も十分ではない。したがって、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、オーストラリアにおける市民性教育政策の最新動向を追うとともに、新たな実践例についての収集も行う。併せて、日本における市民性教育への取り組みの実態を明らかにし、日本型市民性教育のモデルを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、国内外における調査が遅れているため。 今年度において、遅れている調査を進める。
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