本研究は、日仏ともに高等教育の職業専門化が進行する中、その端緒となる1960-70年代の新構想大学創設にさかのぼって、約40年にわたる職業養成教育の形成過程を比較することを目的とした。研究成果は次の3点に集約できる。①両国とも経済発展、教育拡大、人的資本、生涯教育等の社会的要請を受けて、新大学が創設され職業専門化を先導した。②日本で1960年代に「中教審路線」と呼ばれた政策集団において、欧米の新大学をモデルとする新構想大学の計画が考案された。③戦後の国際的な「計画planning」との関係から、日仏で高等教育計画と新大学創設が企図された様相を比較した。
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