本研究は、イスラーム宗教指導者の現代的養成と宗教間融和の促進を国際比較の観点から考察するものである。対象地域は、インドネシア、マレーシア、トルコ、オランダとし、インドネシアとトルコで現地調査を実施した。本研究を通して、1)各国の国民教育制度のなかに宗教指導者養成機能の一部が包摂される一方、民間の教育機関においては、主宰者の思想・指導者像、その養成スタイルに顕著な多様性がみられること、2)宗教間融和に対する宗教指導者の思想と取り組みには大きな差異が存在するが、他宗教に関する学習や他宗教への寛容等、宗教間融和の促進は徐々に進められていることが明らかになった。
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