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2014 年度 実績報告書

イタリアの異文化間教育の政策と実践 ~中国系移民生徒に焦点を当てて~

研究課題

研究課題/領域番号 24531066
研究機関神戸大学

研究代表者

杉野 竜美  神戸大学, 国際協力研究科, 研究員 (40626470)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード異文化間教育 / イタリア
研究実績の概要

移民子弟を対象とした教育活動の場として、学校は大きな役割を担っている。しかし、学校だけでなく、地域の行政機関や公立図書館もまた、彼らの教育活動の重要なアクターである。この重層的な取り組みは、異文化を背景とする子どもたちの教育を支える一つの形として参考になりうる。
イタリアの公立学校に通う移民児童生徒の出身地域・国は多岐にわたっている。「特に、ある地域からの出身者が多いという傾向がない」というのが特徴である。つまり、移民生徒を対象とした異文化間教育のナショナル・モデルは存在しえないと言える。各地域、各学校が、独自の対処に迫られるというわけである。
ブレシャ県キアラ市の中学校では、編入する移民生徒の配属について、彼らの学習レベルをはかるプロジェクトを、ブレシャ県との共同で展開していた。イタリアの統合政策では、移民はA2レベルのイタリア語を獲得することを求めている。そのための80~100時間イタリア語習得プログラムがある。移民生徒にも活用されており、イタリア語を話せない移民生徒に対して、学校は「取り出し授業」を行っていない。上記のイタリア語習得プログラムでまかなう必要がある。学校では、移民生徒のパフォーマンスの差が出身地域によるものだとは考えていない。あくまで各家庭のインセンティブの問題だと捉えている。しかし、不就学問題を考えた時、公式のデータには記載されていないが、町で実際に目にする中国出身の子どもたちの存在を挙げることになる。
学校では、公式データから逸脱する移民子弟が存在するのだ。彼らの利用可能な学習機関として、図書館がある。個人が利用する学習の場としての機能だけでなく、図書館が提供する様々なプログラムによって教育的機能も有している。幾つものセーフティネットが存在しているとも言える。ただ、セーフティネットが多様なため、それらの連携が難しいという側面をもつ。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生の留学支援におけるラーニング・ポートフォリオ活用の可能性2015

    • 著者名/発表者名
      杉野 竜美
    • 雑誌名

      大学教育研究

      巻: 23 ページ: 89-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アクティブラーニング型授業に対する大学生の認識 -神戸大学での調査結果から-2015

    • 著者名/発表者名
      近田政博・杉野竜美
    • 雑誌名

      大学教育研究

      巻: 23 ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 移民生徒をめぐる学校教育の課題 -教育関係者へのインタビュー調査から-2014

    • 著者名/発表者名
      杉野 竜美
    • 雑誌名

      日伊文化研究

      巻: 52 ページ: 89-102

  • [学会発表] 大学の国際化と海外留学支援制度 ―海外留学促進から教学支援改革に向けて―2015

    • 著者名/発表者名
      正楽 藍、杉野竜美、武 寛子
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-14
  • [図書] イノベーティブな学習環境2015

    • 著者名/発表者名
      立田慶裕(監訳)
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2016-06-01  

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