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2014 年度 実績報告書

メキシコにおける多文化共生社会構築に向けた教員の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24531067
研究機関広島大学

研究代表者

青木 利夫  広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (40304365)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードメキシコ / 農村教育 / 農村教師 / 多文化主義 / 多文化教育 / 二言語文化間教育 / 先住民
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続きメキシコの関係機関において、教師の教育その他の活動に関する資料の追加調査をおこなった。そして、収集した資料を入手済みのものとあわせて分析し、メキシコの教師が、学校および地域社会において教育に加えてどのような活動をし、どのような役割を担っていたのかという点について考察した。メキシコにおいては、20世紀末から21世紀にかけて、複数の先住民文化がメキシコ国家の文化的豊かさの基盤をなすと考えられるようになり、文化の多様性を尊重しようとする理念が確立する。そして、それにもとづく教育政策として「二言語文化間教育」が導入され拡大していく。しかし、教育の現場においては、それを実践するための具体的な方法や教材、訓練を受けた教員などが十分に整っておらず、さまざまな問題を抱えている。また、住民のあいだでも、先住民文化をどのようにとらえるかについて、かならずしも意見が一致しているわけではない。そのため、理念上は「多文化の共生」が謳われながらも、実態においては克服すべき課題が数多く残されている。とはいえ、先住民の文化や権利の尊重を訴えて、それをもとに町の一体感を強め、あるいは町の活性化を図ろうとする政治的、経済的、文化的運動も各地で起こっており、教師がその中心的な役割をはたしている地域は少なくない。本研究は、地域や時代によって状況は大きく異なるものの、先住民言語を話すバイリンガル教師をはじめ、農村地域の教師たちが地域における指導者として、社会の発展に向けて重要な役割を担ってきたことを明らかにした。こうした研究の成果は、図書および学術論文として発表した。また、教師や保護者に加え、子ども自身に焦点をあてて、メキシコ社会において子どもたちがどのような位置にあり、どのような役割を果たしてきたのかという視点から研究をさらに展開する準備を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 地域の指導者としての教師の役割2014

    • 著者名/発表者名
      青木利夫
    • 雑誌名

      欧米文化研究

      巻: 21 ページ: 47-63

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [図書] 日常生活に織り込まれた発達文化2015

    • 著者名/発表者名
      関啓子、木下江美、柿内真紀、三浦綾希子、呉永鎬、青木利夫、藤田明香、太田美幸、見原礼子、高尾隆、金子晃之、神谷純子
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      東信堂
  • [図書] 20世紀メキシコにおける農村教育の社会史2015

    • 著者名/発表者名
      青木利夫
    • 総ページ数
      266
    • 出版者
      溪水社

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公開日: 2016-06-01  

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