本研究は、47都道府県の公立中・高校における女性校長第1号の登用とキャリアについて、女性小学校長第1号とも比較しつつ、歴史的に照射することを意図する。研究方法は、公的統計資料、地方新聞、地方教育史等による資(史)料と面接調査データに基づき、中高併せて特定できた107名の第1号の基礎データを分析した。 結果、第1号登用は、1940年代と1980年代以降に政策要因に関わる2つの山があったこと、また、キャリア面では、指導主事経験や高い学歴キャリアが地位形成への主要なチャンネルとして機能していたこと、教頭経験を有する同校昇任人事というキャリア・パターンなどが特徴的であることを実証的に論じた。
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