本研究では主としてJLPS(東大社研パネル調査)やSSM(社会階層と社会移動に関する調査)のパネルデータ・回顧データを用い、個人内変化や因果効果の推定について検討を深めてきた。発表の成果として重要なのは2つある。1つは傾向スコアを用いた、過去の学校外教育経験の進学行動に対する効果の分析であり日本教育社会学会の奨励賞を獲得した。パネルデータ分析を含めた『なぜ日本の公教育費は少ないのか』(勁草書房)では、サントリー学芸賞(政治・経済部門)を獲得した。以上により、パネルデータなど時間的変化を含むデータ分析の重要性を示すことができた。
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