研究課題/領域番号 |
24531084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
西尾 亜希子 武庫川女子大学, 教養部, 講師 (20550627)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
今年度(平成24年度)の一つ目の目的は、女性の貧困をはじめ、教育経済学や労働経済学等の主要書籍を収集女性の貧困に関する資料を国内外から収集し、主要な理論のサーベイを行なうことであった。この目的を遂行するため、まず平成24年12月まではこれらの資料をレビューすることに努めた。そして、その中間報告を平成24年9月に開催された日本ジェンダー学会大会で報告した。 さらに、二つ目の目的として平成22年から23年にかけて実施したパイロット調査の結果を整理し、本研究での質問紙調査を実施する際の示唆を得ることがあった。この点に関しては、本研究の開始とほぼ同時期にGender Awareness in Language Education (GALE)の学会誌に投稿をしていたこともあり、開始後に若干の加筆・修正を行ない、平成23年7月に査読付論文として掲載されるに至った。 また、同論文を執筆する中で、若年女性の多くが社会・経済の変化に鈍感で、自身の力で長期にわたって稼げる能力を養う必要性があるということに気づいていなかったり、自らの稼得能力にほとんど期待もしていなかったりすることが問題点として浮かび上がり、これらの問題点を本研究での質問紙調査実施への示唆と捉えるに至った。そして、その示唆を活かすべく、平成25年2月に女子大学生・短大生500名を対象に、結婚意志の有無および理想の就労形態、男性への稼得能力への期待、親の娘の将来の生き方に対する期待、自己効力感の相関関係に関するアンケート調査を研究協力者の松並知子武庫川女子大学非常勤講師とともに実施した。現在その分析を進めている最中であり、平成25年9月には日本心理学会大会でその分析結果を報告する予定になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究目的については概ね達成できたと考えている。本研究の目的としていた研究関連資料の収集およびレビューをほぼ終え、それをもとにした研究報告を2回行なったり、パイロット調査の結果を査読付論文として掲載されるに至ったり、その中で得た本研究への示唆を活かして質問紙調査を実施できたからである。ただ、研究関連の資料についてはかなり膨大な量の資料(特に図書)を収集できたものの、レビューが不足していることは否めない。次年度の前半にかけてさらに読み込みたいと思う。
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今後の研究の推進方策 |
研究の方向性や研究を進めていく上で核となる理論についてある程度固まってきているものの、まだ確信は得られていない。まずはこれらを固めるため、収集済みの資料(特に図書)を読み込みたい。また、現在すでに実施済みの質問紙調査の分析を進めているが、パイロット調査と同質問紙調査を終えた実感として、質問紙調査(あるいは量的調査)だけでは新たな知見を得る上で限界があると考えている。当初予定はしていなかったものの、未婚の若年女性(女子学生)への面接調査(あるいは質的調査)の実施が必要ではないかと考えている。したがって、面接調査の実施も視野に入れつつ、まずは質問紙調査の分析を滞りなく進めていきたい。 また、次年度には女性の貧困予防策としての教育のあり方を探るため、すでにそのような教育を行なっているアメリカのスミス・カレッジの視察と関係者へのインタビューを計画している。したがって、パイロット調査や質問紙調査の分析結果をもとに、インタビューに適切な質問項目について検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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