女性の貧困予防策としての大学における教育のあり方について実証的に研究することを目的とした。女子大学生の金銭感覚についてライフイベントとの関連から面接調査を実施し、貧困のリスク要因を探った。その結果、貸与型奨学金を受給する女子が増加する一方、結婚や出産への関心が強すぎ、返還義務が希薄な者が目立った。対照的に商・経の女子は奨学金を借りている場合に限らず、金の管理能力が高い傾向が見られ、多くは身近な人からリアリティのある金にまつわる話や金の管理能力の重要性について学んでいた。結婚や出産により稼得能力を失いやすい女性にはこれらの女子が受けてきたような教育を公教育で与えていく必要があることが示唆された。
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