本研究は、国によって学士課程教育の外的内的要件が異なる状況下で、学士学位の国際的な相互認証を可能にする条件を明らかにすることを目的とした。(1)欧米主要国では、他国の多様な教育制度を尊重したうえで、自国の学位・教育資格との比較可能性の観点から取得学位、学修履歴の認証が行なわれている。(2)大学による認証を基本とする一方で、国が指定する情報提供機関がその実践を支えている。(3)異なる教育制度間の比較可能性をもとに相互認証を行ない、国内外の学生移動を促進・支援するために、各国が教育段階ごとに修了者(学位・教育資格取得者)が身につける知識、能力、技術を記述し公表する資格枠組みの重要性が高まっている。
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