本研究は「構図」「造形文法」「レイアウト」等の各領域において個別に検討されてきたビジュアルアート全般に通底している「心のしくみ・働き」と「造形言語」の関係を明らかにするための基礎研究である。 研究は抽象絵画を対象にして次のように行った。①「視線測定装置」を用いた被験者の視線移動の測定。②発話記録の録音による感性的・情緒的語彙の解析。③語彙力増加による非具象表現の理解度の検討。その結果、①②の計測・分析から、抽象絵画を観察する際の視線移動は極めて高速で感情用語を発する以前の情動による受容段階であること。③からは非具象表現の理解には造形用語レッスンが有効であることが確認された。
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