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2014 年度 実績報告書

一斉指導で活用できる算数障害児童生徒に有効な教材の開発と指導法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24531096
研究機関岩手大学

研究代表者

中村 好則  岩手大学, 教育学部, 准教授 (00613522)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード算数障害 / ICT活用 / 動的視覚化 / 発展的探究
研究実績の概要

算数障害児の指導の調査結果を受けて開発した教材と指導法をもとに,具体的な指導アプローチを提案し,実践協力校のもとでその効果を検証した。一斉指導における補償教育的指導の考え方を取り入れた個別の支援を考慮した指導アプローチとして,ICTを活用した①多様な表現による視覚的な指導アプローチと②表現変更による発展的探究の指導アプローチを提案した。また,①と②の指導アプローチで使用するICT教材やワークシート等は,教科書のユニバーサルデザインと同様の配慮(特に,画面の構造化,CUD,スモールステップの原則等)をして作成した。
①多様な表現による視覚的な指導アプローチでは,動点問題及び旅人算等を題材に問題場面を動的に視覚化するICT教材を作成し活用した。ICT教材は,問題場面をグラフ表示,線分図表示,状況表示等の多様な表示方法を対象児の認知特性によって選択・表示することができる。検証授業の結果,①の指導アプローチは,対象児の問題場面の理解を支援することができ,彼らの数学的な知識・技能の習得や数学的な見方・考え方の育成を促進できる可能性が示唆された。
②表現変更による発展的探究の指導アプローチでは,問題状況を視覚的に表現したグラフや図形,図等を動かし,問題状況や問題文,解答がどう変化するかを発展的に探究する。検証授業の結果,②の指導アプローチは,対象児の創造性の育成や数学観や学習態度の変容に効果的である可能性が示唆された。
①と②の検証授業では,電子黒板は学級全体での教材の共有に,タブレットは対象児が個別に活用することで,一斉指導の中で個別に配慮することができた。検証授業を通して,算数数学学習における算数障害児のつまずきを捉える観点として,学習内容に関するつまずきと学習活動に関するつまずきの2つの観点が見出され,それらのつまずきの関連を考慮する必要があることが明らかとなり今後の課題として残った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 算数学習におけるつまずきと支援の分析2015

    • 著者名/発表者名
      中村好則
    • 雑誌名

      数学教育学会誌

      巻: 55 ページ: 109-118

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 問題場面の理解を支援する動的視覚化教材の開発-追掛算に焦点を当てて-2015

    • 著者名/発表者名
      中村好則
    • 学会等名
      数学教育学会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-23
  • [学会発表] 算数学習におけるつまずきと支援に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      中村好則
    • 学会等名
      数学教育学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-09-26 – 2014-09-28

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公開日: 2016-06-01  

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