本研究の成果は,大きくは次の3点である。(1)質問紙調査及び訪問調査により,小中学校の通常学級及び高校に在籍している算数障害児童生徒への指導の現状と課題の把握及び学習上の困難性を明らかにした。(2)その結果を受けて,①算数障害児童生徒を含むすべての児童生徒を対象にした支援と,②算数障害児童生徒を対象にした個別の支援に分けて捉え,それら2つの観点からの教材と指導法を開発した。(3)開発した教材と指導法を研究協力校のもとで実施し有効性を検証した。その結果,開発した教材と指導法は,算数障害児童生徒の数学的な知識や技能の習得と数学的な見方・考え方及び数学的な態度の向上に効果があることなどが示唆された。
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