最終年度となった本年度は、4回の韓国調査を実施した。主にソウル中央図書館を中心とした資料調査を行なったが、京畿道楊平郡立図書館にも行き、地域での調査も実施した。そこで、植民地期の歴史教育の実態を収集する作業することを行ったが、その際に利用した資料は各学校が発行している学校誌であった。特に、1905年の第二次日韓協約、1910年の「韓国併合」前後に開校した初等学校が2000年代に入り学校100年史を刊行しており、その中には植民地期の学校および教育の様子が卒業生の寄贈した資料や回想録等で叙述されている。歴史教育に限らず、当時の授業や生活に関する記述もあり各学校の様子を知るのによい資料となった。歴史教育に特化したわけでないが、各学校での植民地期の教育についての概略を次の学会で報告した。「韓国の学校100年史における植民地期朝鮮の教育-内容の分析を中心にして-」アジア教育学会第9回大会(11月1日、埼玉工業大学)。
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