研究課題/領域番号 |
24531106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
中村 和弘 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50511185)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 語彙教育 / 実践史研究 / 語感指導 / 倉澤栄吉 / 東京都青年国語研究会 |
研究概要 |
本研究の目的は、特色ある語彙教育を展開した東京都青年国語研究会による「語い指導」実践の成立過程を、実践史研究によって明らかにすることである。「語い指導」の実践は昭和49年度から20年間にわたって継続されたが、実践の特徴から5つの時期に区別することができる。 当該年度においては、その第2期である昭和52年度からの実践を研究の対象として、特に「語感指導」の内実を次の2点から明らかにした。 1.授業後の研究協議会などの発言から、教師たちが「語感」やそれをめぐる指導をどのようにとらえ、理解を深め合っていったか。また、何を「語感指導」のねらいとして定めていったか。 2.倉澤栄吉氏がいわゆる「倉澤講義」を通して、自身の「語感論」「語感指導論」をどのように論じているか。授業や協議の具体的な内容を受けながら、どのように論を展開させていったか。 また、『研究紀要』の記述にある授業記録や協議会記録を元に分析をしていく「実践史研究」の方法論そのものについても検討を加えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、東京都青年国語研究会による「語い指導」実践の成立過程を5つの時期に区分してとらえ、その取り組みの全体像を明らかにすることをゴールとしている。現在、第2期となる「語感指導」「言葉遊び」期(昭和52~55年度)までの分析を終えており、また、研究手法そのものについても検討することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は第3期となる「文字指導」期(昭和56~59年度)ならびに第4期となる「個別学習に根ざす指導」期(昭和60~平成元年度)の実践の分析に取り組む。同時に、『研究紀要』を重視した研究手法にさらに改良を加え、「実践史研究」の方法論そのものについての検討も継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
書籍費として語彙教育関係図書、教育実践研究関係図書などを300,000円程度購入する予定である。これは、「実践史研究」の方法論自体を検討するために、他教科・領域の関係図書を参照する必要があるからである。 また、旅費として、300,000円程度使用する計画である。これは資料収集や成果発表として、全国大学国語教育学会大会、日本教育方法学会大会などの学会の大会や研究集会に参加するためである。
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