本研究の目的は、自己表現を重視した読むことの学習方略の有効性を明らかにすることであった。国語力の高い小学校の読むことのカリキュラムを分析した結果、①多読 ②他教科と関連させた指導 ③語彙指導 ④交流活動 ⑤学習センターとしての学校図書館の利活用を行っていることが明らかになった。アクション・リサーチでは、「ごんぎつね」と他の南吉作品を読み、「心に残るお話を見つけて紹介カードに書く」という表現活動を位置付けた全10時間の授業開発を行った。紹介カードの交流活動を通して共有された読み方のよい点を「読みの方略」として意義付け、読みの方略の明示的な指導の在り方とその効果を明らかにした。
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