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2012 年度 実施状況報告書

推論発問を中心とした生徒の深い英文読解と豊かな表現を促す発問ストラテジーの考案

研究課題

研究課題/領域番号 24531110
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

田中 武夫  山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50324174)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード推論発問 / 読解指導
研究概要

本研究の目的は、リーディング指導において、生徒の読みを深め、読み取ったことを豊かに表現させるために、推論発問を中心としながら異なるタイプの発問をいかに効果的に連携させるべきか具体的な読解指導の方略を提案することにある。平成24年度の研究目的は、生徒の読みを深めるために、事実発問と推論発問をどのように連携すべきかを明らかにし、事実発問と推論発問の活用方略を具体的に提案することにある。そこで、次の2点について研究を進めた。
(1) 英語授業における発問タイプを整理し、その具体例の提示を行った。発問を、「授業目標の達成に向けて、生徒が主体的に教材に向き合うよう計画的に行う教師の働きかけ」と定義し発問タイプを整理した。英語授業における発問には,大きく分けて、表示発問(display questions)と参照発問(referential questions)があり、読解指導においては、事実発問(fact-finding questions)、推論発問(inferential questions)、評価発問(evaluative questions)に大別することができる。授業および活動の目的に応じて、発問タイプを使い分けることが重要であることを論考した。
(2) 事実発問、および、推論発問の発問内容を精選し、読解発問の活用方略を考案した。事実発問と推論発問の連携により、事実発問による正確な読み取りから推論発問によるテキスト主題の読み取りを促す具体的発問例を、中学校の教科書本文をもとに提案した。
以上の、英語授業における発問タイプと具体例の提案、および、事実発問と推論発問の具体的な活用方略の提案を研究論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度の研究目的は、生徒の読みを深めるために、事実発問と推論発問をどのように連携すべきかを明らかにし、事実発問と推論発問の活用方略を具体的に提案することにあり、研究計画としては、以下の2点を進める予定であった。
(1) 英語授業における発問タイプを整理し、事実発問、および、推論発問の発問内容を精選し、読解発問の活用方略を考案する。事実発問と推論発問の連携により、事実発問による正確な読み取りから推論発問によるテキスト主題の読み取りを促す具体的発問例を、中学校の教科書本文をもとに提案する。
(2) 事実発問と推論発問の連携の効果に関する量的および質的研究。事実発問と推論発問の順序性および発問数、そして発問内容を精選し、発問の仮説的な活用方略を考案する。事実発問の有無によって、テキスト理解における推論発問の効果に変化が見られるのか、事実発問と推論発問の連携により、いずれかの発問単独の場合よりもテキスト理解は深くなるのか、そして、テキスト理解における推論発問がどのように貢献するのかについて、タイプの異なるテキストを用い、大学生を対象にした調査を行う。まず、生徒の読解度をリコールテストの得点から捉え、量的な比較検討を行う。そして、事実発問による読解から推論発問による読解への質的な読み取りの傾向の変化やテキスト主題の読み取り内容の違いについて分析する。それらの調査結果から、読解指導に最適な事実発問と推論発問の活用方略を提案する。
研究計画の(1)に関する発問タイプの整理と発問の具体例の提案については、ほぼ達成できているが、(2)の事実発問と推論発問の連携効果に関する分析については、まだ進行中である。

今後の研究の推進方策

平成25年度の研究目的は、読解指導における推論発問と評価発問の連携が読解後の生徒の表現内容に効果が見られるかどうかを明らかにする。また、表現活動までを見据えた読解発問を中心とした流れを具体的に提案する。
(1) 推論発問と評価発問の連携効果に関する量的調査。テキスト情報を正確な読みを促すと同時に生徒の背景知識を活性化するという推論発問の特徴を生かし、テキスト内容に対する生徒の意見や考えを述べさせる評価発問(あなたは~についてどう思うか?)を連携させて指導を行うことで、生徒のより深い思考を促し、読解後における意見や考えを表現させる活動で、より豊かな表現を促すことができるものと仮定できる。そこで、事実発問のみを使って読解指導、事実発問と推論発問の両方を行った指導、そして、事実発問、推論発問、評価発問を活用した読解指導の3つの指導群において、読解後の生徒の表現量を比較分析する。そこから、読解後の表現に関する推論発問と評価発問の連携の有効性について明らかにする。
(2) 推論発問と評価発問の連携効果に関する質的調査。また、推論発問と評価発問の連携効果が読解後の表現内容に与える効果について、質的にも分析を行う。とくに、表現内容の豊かさについて、表現内容のテキスト主題との関連度、生徒の背景知識との関連度、などといった指標から分析を行う。これらの結果から、読解後の表現に対する推論発問と評価発問の連携の有効性を明らかにし、読解後の豊かな表現につながる読解指導の具体的方策を明らかにする。
研究計画の(1)と(2)が終わった段階で、英語リーディング指導における推論発問と評価発問の連携の有効性およびその活用方策を英語教育学会にて口頭発表、および、研究論文として発表する。

次年度の研究費の使用計画

昨年度の研究費に若干の繰り越しが出たが、次年度の研究計画を進める上で旅費などに加算して使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 推論発問でメッセージを読み取らせる2012

    • 著者名/発表者名
      田中武夫
    • 雑誌名

      Teaching English Now

      巻: 22 ページ: 6-7

  • [図書] 英語科教育のフロンティア2012

    • 著者名/発表者名
      青木昭六ほか
    • 総ページ数
      203
    • 出版者
      保育出版社

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公開日: 2014-07-24  

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