研究課題/領域番号 |
24531116
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
守田 庸一 三重大学, 教育学部, 准教授 (60325305)
|
研究分担者 |
間瀬 茂夫 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90274274)
宮本 浩治 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30583207)
|
キーワード | レトリック / 説明的文章教材 / 関連型学力・授業モデル / 高等学校 / 国語科 |
研究概要 |
平成25年度には、平成24年度の研究を継続あるいは補足するとともに、これまでの成果をふまえて研究をさらに進めた。 研究の進展としては、まず、記述式の調査を通じて、教師が持つ、説明的文章指導における理解と表現に関する学力観・授業観を把握した。当初の計画では三重・広島・兵庫の3県での調査を予定していたが、より調査環境の整った岡山・広島・徳島の3県に所在する学校に勤務する教諭を対象にした調査を分析した。なお、高校の国語科教師の学力観・授業観に関しては、これまでに研究代表者および研究分担者が各自の研究において調査を行っており、改めてアンケート形式の調査を試みてもこれ以上の情報は得られないと判断した。そこで本研究では、小・中学校において国語科を担当している教諭に具体的な教材についての記述を求めた調査によって、これまでに得た高校の国語科担当教諭が持つ学力観・授業観の一般化を目指した。 さらに本年度には、高校の国語科教師に対するインタビュー調査を実施した。この調査も、当初は三重・広島・兵庫の3県での調査を予定していたが、インタビューをする環境が充実している三重県で行うことにした。また、調査対象の教師が勤務する学校を訪問しての調査となったこと、加えて教師一人ひとりに対するインタビューを充実させ、より多くの情報を得ることを意図して、本年度においてはインタビュー調査の対象を厳選し、人数を3名に絞った。 上述の研究を経て、かつ平成24年度における関連型学力にかかわる研究成果にも基づき、本年度の終わりには、関連型国語学力を育成するための授業モデルを仮説的に構築した。その上で、このモデルに応じた、高校2年生を対象とする実験的な授業(レトリックを重要視した、評論文の学習指導)を観察および分析し、検証を試みた。 平成25年度の研究では、関連型学力・授業モデルの構築に資する、以上の有意義かつ重要な成果を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「後期中等教育の国語科で扱われる教材のうち特に説明的文章教材におけるレトリックに着目して、理解と表現の関連型国語学力および授業モデルを構築する」という本研究の目的についてはおおむね達成できている。一方、「構築したモデルの、教師およびその授業実践に対する有効性の検証」については次年度の課題である。そこで、「おおむね順調に進展している」と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度には、平成24・25年度に構築した関連型国語学力および授業モデルの有効性を検証する。平成26年度の研究の目的は、2年間をかけて構築してきたモデルの、教師およびその授業実践に対する効果を明らかにすることにある。それによって、本研究の成果を実証的に示し、まとめることを目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
これまでの研究において研究代表者および研究分担者が録画・録音・収集してきた多くのデータ(授業実践の映像や紙媒体の資料等)を管理・編集・閲覧することのできる機器が改めて必要となった。平成25年度(以下、本年度)末に、研究代表者と研究分担者がそれぞれに有していたデータを整理した。今後はデータを一括して扱い、平成26年度(以下、次年度)の研究課題である、構築したモデルの有効性の検証に用いる必要がある。そのための機器を購入しなければならず、次年度使用額が生じた。 また、次年度における研究協力者に貸与あるいは紹介する教科書・教材・その他の文献等については、研究協力者の勤務校や担当学年・担当科目が定かにならないと用意することができないため、本年度内に準備することができず、次年度使用額が生じた。 本年度末にデータ整理が終わり、データの分量と、それらを一括して管理・編集・閲覧することのできる機器の性能が定かになった。それに見合うものをすみやかに発注し、次年度の研究に活用する。 また、次年度の冒頭に、研究協力者の勤務校および担当学年・担当科目を確認するとともに、貸与あるいは紹介する教科書・教材・その他の文献等を早急に選定し、次年度の研究に遅滞が生じないようにする。 なお、次年度分として本来予定していた額については、当初の計画に基づいて使用する。
|