研究課題/領域番号 |
24531120
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10379323)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会科 / 授業力 / PDCA / 教師教育 / 省察 |
研究実績の概要 |
本年度成果として、アクションリサーチに協力を得た教員との共同の全国学会発表を行った。課題は教員自身が日々の実践の中で授業をどのように省察し、評価・改善を行うのか、全国各地の教員や学校が置かれている状況に応じた社会科授業改善のためのPDCAシステムをどのように構築すればよいかについて提案を求めた。 A.和歌山県海草地区中学校社会科教員からなるグループ…小規模校・僻地校等が全国各地に点在する。それら多くの学校では専科の教員数が少なく、近年、教員の年齢別構成はきわめて歪になり、教科ごとの授業研究や地域における研究会、研修等の実施が困難な状況にある。個々の教員は日々の実践の中で抱く課題を解決できずにいる。本海草地区の中学校教員、研究会をこのような地域の典型例として研究対象とし、2011年度よりアクションを加え、教員が授業研究を行うための研修会や組織体制づくりを支援した。研究会の組織・運営や個々の教員の変化、類似した地域・実態を持つ社会科教員の研修会のあり方、個々の教員が行う授業研究のための要素は何かを求めた。 B.香川県中学校社会科教育研究会(香中社)…香中社は2012年度に全国中学校社会科研究大会において、社会科教員の授業力の向上の研究を進めた。研究会の中心的な研究員が、研究成果を『授業ハンドブック』や「社会科授業力診断カルテ」にまとめた。2年を経て、附属学校教員及び香中社事務局となった授業者に発表以後の自身の変化の振り返り及び研究会・研修要素は何かを求めた。 C.個々の教員の学びによる授業力向上…研究代表者は授業観の異なる授業理論・授業を指導学生に示し、実践の観察の積み重ねが授業力向上に影響するのか研究を進めた。学部・大学院を通じての学びが教職1年目nの自らの実践にどのような影響を与えているのかを示し、学校現場において,個としての教員が授業開発・改善を行うための要素を求めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来から提出されてきている新しい社会科授業改善の理論は、どれくらい学校現場の実態に即したものであるのか、さまざまな授業研究の提案はどれほど有効性をもっているのか、実行可能性への素朴な問いから、教員自身が日々の実践の中で授業をどのように省察し、評価・改善を行うのか、同時に全国各地の教員や学校が置かれている各々の状況に応じた社会科授業改善のためのPDCAシステムをどのように構築すればよいかについて、以下のA~Cへのアクションリサーチを通して、検討してきた。 A.和歌山県海草地区中学校社会科教員からなるグループ20数名への研修支援のアクショ ンリサーチ B.香川県下の全中学校社会科教員からなる研究会へのアクションリサーチ C.個々の教員の学び(指導学生)による授業力向上へのアクションリサーチ 本年度は当初計画の最終年度に位置づけ、「状況に応じた社会科授業改善PDCAシステムの構築」について、上記アクションリーサーチのまとめを目指した。この間、協力いただいた関係する教員や研究会・行政組織の代表者の方々には、毎年度、研究代表者と共同で全国レベルでの学会発表を行った。それら成果を収録した冊子の作成の準備は、80%強達成している。他方、本務業務として附属学校長兼任となったため、本研究の時間的制約が否めず、成果発表はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の延長1年を申請したため、最終年度計画を遂行する。「状況に応じた社会科授業改善PDCAシステムの構築」について、上記アクションリーサーチのまとめを目指し、3年間の成果を収録した冊子を刊行する。本研究がやや遅れた原因となった、時間的制約は、兼業業務の重点化・効率化を図る。、
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次年度使用額が生じた理由 |
研究推進において、本務の予期せぬ業務追加のためエフォートが低下し、推進がやや遅れた。そのため、3年次計画における最終年度の成果の印刷物刊行を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の使用額を成果刊行物の印刷及び学会における成果発表旅費に充当する。
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