研究課題/領域番号 |
24531122
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
松山 雅子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50173927)
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キーワード | イギリス教育改革 / 教員教育 / CLPE / Power of Reading / Primary Language Record / 内ロンドン / リテラシー学習指導プログラム |
研究概要 |
平成25年度科研助成を拝受し、以下の単著1冊、学術雑誌発表論文(査読無し)1本を公に問い、研究成果を公開し、継続研究への糧とした。 単著 『イギリス初等教育における英語(国語)科教育改革の史的展開ーナショナル・カリキュラム制定への諸状況の素描』(渓水社、平成25年11月25日、A4判形,227頁) 論文 「小学校リテラシー教育センター(CLPE)開発の読書力向上プロジェクトの実際」『国語教育学研究誌』第28号,大阪教育大学国語教育研究室編、pp.125-138。 研究対象であるロンドンの教科教育センターは、文教政策側と学校教育実践側の媒介者として、実践科学研究としての典型的な営みを具現化してきたことが、明らかになりつつある。それに伴い、センターの背景となるマクロの教育改革の史的展開を、資料に基づいて精査する必要が生まれ、単著にまとめるに至った。これによって、センターの個々の取り組みの内実をさらに的確に把握しえ、来年度の研究へと有機的に繋いでいくことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
助成をいただく以前からの調査・研究、ならびに科研初年度の成果を踏まえ、イギリス初等教育における英語(国語)科教育改革を1960年代から2010年まで史的に俯瞰しえたこと、それを公刊しえたことは、本研究の堅固な基盤の確立に結びついた。 科研助成を頂くことで、初年度にはロンドン大学教育研究所図書館等で、生資料を確かめる機会を得、25年度には、公刊のための財政的支援をたまわった。わが国の日英比較国語教育学の領域において、本書は、パイオニア的性格をもち、稿者個人はもとより、学会等においても今後十分活用されていくものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで2年間の研究を踏まえ、教育改革のもっとも先鋭的に現れたところとして、入門期および第1学年に焦点化して、CLPEの40年余にわたる教員教育の取り組みを考究し、単著としてまとめるべく、継続して努力していきたい。理論構築、実態調査研究、理論にもとづくモデル構築、実地検証、実地指導、フィードバック、学習指導プログラムの提案と実施といった実践科学研究の典型ともいえるCLPEの教員教育のありようを、つぶさに明らかにすることで、わが国における国語科の教育改革の推進にかかわる示唆を得たい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度において、研究成果を公刊する予定で進めており、残額15,294円が生じた段階で、次年度に回し、研究計画遂行の補助に使いたいと考えました。 研究成果を公刊するための印刷費補助に加え、成果を公けにすることに努めたいと思います。
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