算数学習においては,知識だけではなくその知識をいつどのように使うかというメタ認知の重要性が指摘され,メタ認知の育成を伴った数学的知識の指導が必要である。一方で,新学習指導要領で注目されている言語力の育成の観点から,数学的表現力の育成が注目されているが,その実践的研究はまだ十分な成果をあげているとは言えない。 そこで本研究では,数学的表現力の育成においては,数学的表現をいつどのように使うかというメタ認知を踏まえた指導ユニット(特定の学習内容における学習指導の流れを体系化した単元構成を指す)の開発を目指す。具体的には,数学的表現のなかでも小学校算数科で学習する数概念の構成に大きく寄与する数直線に着目し,数直線の使用について子どもたちが有するメタ認知の実態を踏まえた指導ユニットの開発・実践的検討を行うこと を目的とする。 平成26年度においては,これまでの研究成果をもとに,数直線の使用を含む授業計画・観察・分析を行い,肯定的なメタ認知の育成を行いつつ,子ども達の思考の道具としてどのように数直線を指導していくのかを検討し,指導ユニット案を検討した。
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