研究課題/領域番号 |
24531137
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
長井 克己 香川大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20332059)
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キーワード | 発音練習 / 英語教育 |
研究概要 |
語学学習における文字と音声の相互作用を研究するための実験を現在遂行中である。 音読やシャドーイングなどを用いた外国語学習の効果を測定するためには,教材の難易度・馴染み度,視覚刺激(文字)の提示回数・時間などの統制が必要となる。初年度に引き続き文献調査を行うと共に,音声の強さ・長さ・高さや,文字の親密度・大きさ・長さを統制するための予備実験を行った。教室において教師のモデル発声の後に学習者が繰り返す練習のさまざまな実態を整理し,自然な発話を誘発する環境での録音の音響特性を調査した。いずれもミリ秒単位の精度が要求されるので,実験の制御は防音室内で専用のコンピュータを用いて行った. 英語の語彙での実験では,コーパスを利用して馴染み度を揃え,文字と音声のどちらをどのように提示すると,どのように記憶・保持成績が変化するかについて先行研究を調査した.単音単位で学習者の発話音声の物理的性質(強さ,高さ,長さ)及び発話開始までの潜時やモデル発話に対する遅れ(ラグ)等の変数を予備実験で調査した後,句や文の韻律単位に実験対象を拡大し,録音した音声の音響分析を行う計画である。母語話者のデータとの比較や,自然性評価と物理変量との関係を考察する. 本年度は本実験として,(A)非言語刺激音を用いた実験,(B)日本語に存在する単音を用いた実験,(C)日本語には存在しない単音を用いた実験,(D)英語の語彙とその類似疑似無意味音節を用いた実験を行っている。更に(E)英文とその音韻構造を保存した無意味文とを用いたリズムと自然性の再生実験の準備も予定している. 実験室における研究と並行して,英語教師及び日本人英語学習者を対象とした質問紙調査を継続して行っている。標準化されたテスト(TOEICを利用)のリスニングスコアと,教師と学習者のの方略・方法がどのように関係しているかについてもデータの分析を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度後半から2年目にかけ,実験室・防音室の耐震工事,一時退去,別の場所への引っ越しが続き,その作業に多大な時間と労力を費やし実験が遅れた。実験時にも大きな騒音が生じ,たびたび中断せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在まだ実験が終了していないので,速やかに実験を終了し分析にかかるものとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の遅れにより,謝金の支払いが遅れている。 最終年度に実験がずれ込んでいるので,謝金の支払いが必要である。
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