研究課題/領域番号 |
24531138
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
長谷川 順一 香川大学, 教育学部, 教授 (90172890)
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キーワード | 算数教育 / 誤概念の修正 / 面積 |
研究概要 |
(1)小学校算数における「面積」の検討 小学校算数で扱われる「面積」に関連するいくつかの問題について、小学生を対象とした調査を実施し検討した。調査問題は2つの図形を示し、どちらが広いか(面積の大小)を問う問題から構成した。その結果、①正方形を組み合わせた図形の面積比較については、小学校第1学年の終了時にはおおよそ獲得されている、②面積に関して推論を伴う問題については、主として第2学年から獲得されていく、③周長と面積の関係については、第2学年以降に混同が生じている、④第4学年の児童を対象とし面積と周長との関係を考えさせる問題を扱う授業事例を検討したが、面積と周長の関係を授業で扱っても混同は解消されるとはいえない、といった事項が見出された。これらの結果をもとに、小学校算数の授業で面積を扱う際の留意点などを検討した。 (2)算数教育における概念の構成と再構成についての検討 上記の面積概念の他、基礎的な図形概念である「三角形・四角形」、小学校第3学年で扱われる「分数の基礎的意味」を取り上げ、小学生の誤判断の発生要因を検討した。検討結果については、数学教育学研究会(広島大学にて開催、昨年度4回)で報告した。分数については調査結果を整理・分析した(現在準備中)。これらの点については、誤判断の要因への算数の授業における具体的な対応方法、教材・教具のあり方を含め、特に理論的観点から整理を進めるよう次年度以降も継続して検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の私事都合による研究の遅れの影響から、今年度もやや遅れていると判断しなければならない。但し、「面積」については、調査結果を報告した。「分数」については、調査結果に検討を加え整理した(現在、準備中)。現在は、今までに収集したデータなどを再検討するとともに理論的見地から改めて検討を進めているところである。来年度も検討を継続し、理論的観点からの体系化を図る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度末を目途として児童の把持する算数に関する誤概念・誤判断の生成と修正について 「三角形・四角形」「面積」「分数の基礎的概念」を事例として理論化を図る。また、そのような事例に関して、小学校算数の授業実践に対する具体的な教材教具及び指導法についての提言がなし得るよう進める。そのために、来年度前期末を目途としてこれまでのデータなどを整理・検討するとともに、理論的見地から考察を加える。また、来年度後期末を目途として、教材教具及び指導法についての提言などをまとめる。
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