研究課題/領域番号 |
24531143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
豊嶌 啓司 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90380378)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会科 / ペーパーテスト / 関係構築 / 市民的資質評価 / 中学校 / 他者 |
研究概要 |
平成24年度は,研究目的・方法等を再検討・確認し,市民的資質の指導と評価の実態,課題の析出について, 内外の社会科教育及び教育評価研究の成果をもとに,国や都道府県レベルで実施される学力調査,高等学校入学試験での学力検査,学校ごとの定期考査等,入手可能な中学校社会科のペーパーテスト事例を収集し,「社会科の方法原理(依拠する認識論や社会構築論等)」及び「他者との関係構築的な認識形成(の有無)」の観点から分析に当たった。これらをもとに,「社会の形成者としての市民的資質」を評価するペーパーテスト作成の基盤となる,社会科固有の「「かかわりの知」による関係構築的評価枠組」を関連性,他者性,状況性の三要素から明らかにした。 1.国・地方学力検査調査班・・・国や都道府県レベルで実施されるペーパーテスト事例についてデータ収集及び分析に当たった。2.都道府県入試調査班・・・高等学校入学試験での学力検査(主に福岡県)におけるペーパーテスト事例についてデータ収集及び分析に当たった。3.定期考査調査班・研究調査分析班・・・本学附属中学校から提供された定期考査におけるペーパーテスト事例についてデータ収集及び分析に当たった。4.内外の社会科教育及び教育評価研究の成果について学会参加(教育目標・評価学会)及び文献調査し,ペーパーテスト事例の分析,社会科固有の評価枠組づくりに活かした。5.成果の共有及び進捗状況を確認,次年度以降の研究内容・計画・方法等の検討・見直しに当たった。 [学会発表]第24回社会系教科教育学会,研究発表大会,2013年2月9日,於 兵庫教育大学,自由研究発表,発表題目「他者との関係構築的な社会認識形成を評価する中学校社会科のペーパーテスト開発に向けて-「社会の形成者としての市民的資質」を評価するペーパーテストは可能か-」豊嶌啓司(福岡教育大学),柴田康弘(飯塚市立穂波西中学校 )
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「活用」,「言語活動の充実」,新観点「思考・判断・表現」,「社会の形成に参画」,公民的分野「対立と合意,効率と公正」など,本研究課題と重なる要素が多い新教育課程の完全実施が,中学校においては,平成24年度(本研究開始年度)であったため,未だ旧教育課程の内容が多く出題された高等学校入試問題をはじめ,中学校現場での定期考査も新教育課程の反映は着手初年度であり,我々が期待していた中学校社会科ペーパーテスト事例数を十分に確保することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年度不十分であった高等学校入試問題や中学校現場での定期考査での社会科ペーパーテスト事例数を増やし,それらより「市民的資質の指導と評価の実態及び課題」の析出を進めるととに,「社会科の方法原理(依拠する認識論や社会構築論等)」及び「他者との関係構築的な認識形成(様態やその方法)」を関連付けた,社会科固有の「「かかわりの知」による関係構築的評価枠組」を具体的なペーパーテスト事例作成に活用できるよう,再検討のうえ精査する。さらに,社会科固有の「「かかわりの知」による関係構築的評価枠組」をもとにペーパーテスト作成する手続きや方途を明確化し,定期考査,入学試験,学力調査等での実用を想定して,具体的な問題事例を開発するとともに,試行実施して得られたデータをもとに,通過率,正答・誤答例等の予備分析にあたる。 1.ペーパーテスト開発の枠組み暫定案確定及び共有,2.中間報告書執筆に向けて,報告書構成・分担の確定,3.枠組み暫定案による予備問題開発・中間報告書原稿執筆,4.枠組み暫定案によるペーパーテスト開発及び検証計画の検討,5,枠組み暫定案によるペーパーテストの検証及び修正,6.ペーパーテスト開発の枠組み確定,最終報告書執筆に向けて,報告書構成・分担の確定。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は,「活用」,「言語活動の充実」,新観点「思考・判断・表現」,「社会の形成に参画」,公民的分野「対立と合意,効率と公正」など,本研究課題と重なる要素が多い新教育課程の完全実施が,中学校においては,平成24年度(本研究開始年度)であったため,未だ旧教育課程の内容が多く出題された高等学校入試問題をはじめ,中学校現場での定期考査も新教育課程の反映は着手初年度であり,我々が期待していた中学校社会科ペーパーテスト事例数を十分に確保することができなかった。 よって,平成24年度研究費繰越額については,平成24年度研究計画の未着手事項を完遂するため,特に新教育課程の内容に則して出題された高等学校入試問題をはじめ,中学校現場での定期考査等の中学校社会科ペーパーテスト事例の収集及び分析のため,関係書籍等及び分析記録機器・ソフト等の物品費,調査研究,資料収集,研究協力者との検討会議,学会での成果発表等の旅費,収集した資料の整理・データ入力等の謝金,収集資料等の複写費,印刷費,郵送費,会議費等のその他支出を,平成25年度研究費と併せて見込んでいる。
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