研究課題/領域番号 |
24531144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
荒巻 治美 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (40315180)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多文化音楽教育 / 国際研究者交流 / 米国 |
研究概要 |
本研究は、アメリカ合衆国ワシントン州における多文化音楽教育の原理を明らかにすることを目的としている。多文化音楽教育は、地域のコミュニティの実態と密接に結びついて展開されるため、一つの地域に焦点をあてて、その民族構成や社会的・文化的環境などの文脈から明らかにされる必要がある。 研究初年度の平成24年度には、研究全体のフレーム・ワークを整備することに重点をおいた。研究期間における研究・調査計画を策定し、具体的な検討を進めるための基礎作業を行った。我が国で入手できる先行研究や資料を確認し、収集した。また、国内で入手困難な資料については、アメリカ合衆国ワシントン州に出張し、調査を行った。シアトルの音楽教育研究者の協力を得ながら、1,多文化音楽教育の基盤となる社会的・文化的環境、2,多文化音楽教育の実態、について調査した。1については、各民族が多く居住する地区に建設されている、その民族の文化などを紹介する博物館や、その他の社会的・文化的施設の存在を確認し、その教育的機能、とりわけ、学校教師が多文化音楽教育を行うにあたっての果たす役割などについて調査・検討した。さらに、ワシントン大学附属博物館や附属図書館などで、多文化教育や多文化音楽教育に関する資料を収集した。2については、研究協力者や学校の音楽教師などの協力を得ながら、ワシントン州の多文化音楽教育に関する基礎的な資料や授業実践に関する情報も収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、研究期間中に次のことを明らかにすることを目的としている。 1,ワシントン州の多文化音楽教育の実態とその原理 2,我が国における多文化音楽教育の在り方 本年度は、研究期間全体を見通した具体的な研究計画を策定した。それに基づいて、我が国において入手できる資料を収集するとともに、アメリカ合衆国ワシントン州に出張し、そこの音楽教育研究者や学校教育関係者の協力を仰ぎながら、順調に資料収集を行ってきた。また、それらの整理・検討も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の研究計画と方法は、以下の5点である。 1,多文化音楽教育に関して、先行研究において明らかになっていることを整理する。2,国内において入手できる、ワシントン州の多文化音楽教育に関する資料の探索・収集を行う。3,ワシントン州において資料を探索し、収集する。4,我が国の音楽教育の実態を探り、それを踏まえて研究協力者から情報提供を受ける。5,最終的に必要な資料を補完し、それらを分類・分析するとともに、研究の総括をする。 前年度は、1から3の内容を中心に進めてきた。本年度は、それらをさらに補完しながら、4を中心に進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の都合により、年度末にアメリカ合衆国に出張し研究調査を行った。それに関する旅費や謝金が概算であったため、当該助成金が生じた。これについては、次年度に予定している研究協力者からの情報提供に関する費用として使用する。
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