研究課題/領域番号 |
24531152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
押元 信幸 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40521505)
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研究分担者 |
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
大成 哲雄 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80406743)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アートプロジェクト / 造形ワークショップ / 創造 / コミュニケーション / 美術教育 / ものづくり / まちづくり / 感性 |
研究概要 |
本研究の目的は、アートプロジェクトや造形ワークショップを造形教育の「新しい学びと創造の場」として確立するために、その教育的意義を明確にするものである。平成24年度研究実施計画の3項目に基づいて、それぞれに研究活動を進めた。 1.<アートプロジェクトや造形ワークショップのプログラム検証>押元は、10月の大学美術教育学会にて、東京家政大学内で行ったアートプロジェクトの教員養成プログラムの実践を発表した。また、三澤は年間20本のワークショップを展開し、創造の場としてのワークショップに関する基礎データを収集した。中でも、福井大学大学院でのワークショップは日常の授業の省察というテーマで展開し、「創造の場」の位置づけを造形芸術から教育の方法を含めての創造とする試みとなった。 2.<アートプロジェクトと造形ワークショップの国際比較と地域連携についての考察>押元は、アメリカの研究協力者の小野寺と、国際的な美術教育プログラムやについて情報収集と米国の造形ワークショップ調査について、今後の方向性を検討した。 3.<アートプロジェクトや造形ワークショップの実践とアウトリーチ活動>押元は8月に『狭山 ART CAMP 2012』と10月に『火のアートフェスティバル』で、「鍛冶ワークショップ」を実施した。三澤はスクールアートプロジェクト「ムサビる!」の記録集を監修制作し、ワークショップの取り組みを中心にその成果をまとめ全国500カ所の関係諸機関に配布した。また大成は『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012』にて「上鰕池名画館」大成哲雄/竹内美紀子を発表し、11月に『常盤平アートプロジェクト2012』にて「デコデコちゃりんこ ~団地探検隊~」、12月に『松戸アートラインプロジェクト』にて「101人ライトドローイング」の実践活動を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進んでいる計画の方が多く、全体的にはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、造形ワークショップの事例を収集するとともに、その考案メカニズムの解明と教育・指導プログラムの検証と開発取り組む。また、実験的な造形ワークショップの実践を行うのみではなく、小、中学校での研修や、美術館での教育普及活動やボランティア養成まで広げ、創造の場が造形を介しての広がりを見せるように取り組んで行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の計画は、平成24年度の3つの研究テーマについて、研究代表者と研究分担者それぞれの内容についてお互いに意見の交換しながら継続的に研究を続ける。 1.<アートプロジェクトと造形ワークショップのプログラム検証>近年のアートプロジェクトや造形ワークショップの増加に伴い、実地調査する造形ワークショップ数を増やすことを目指す。これまで取材できなかった実験的なワークショップのフィールド調査を行い、できるだけ多く事例を収集する。また、これまでに調査した造形ワークショップについても追跡調査を実施する。その他、美術教育関係の学会や研究会に積極的に参加して、自らが企画した造形ワークショップの実践プログラムの報告をもとに多くの実践者との議論を深めて検証する。 2.<アートプロジェクトと造形ワークショップの国際比較及び地域連携についての考察>「ものごとの差異を明らかにする、合意形成していく」というワークショップの機能は、環境・まちづくり等とアートの関わり方についてと、地域連携においてのアートプロジェクトと造形ワークショップの意義についての考察をしていく上で欠かせない視点である。国際比較では、これまでの研究と同様にアメリカの研究協力者と、国際的な美術教育プログラムを情報収集し、ヨーロッパやアジアまで視野を広げた研究を行う。 3.<アートプロジェクトと造形ワークショップの実践とアウトリーチ活動>研究代表者と研究分担者は、専門分野の特色を生かしたプログラムを開発し、実践例として広く一般に公開し、関連するワークショップのフィールド調査を通じてより多くの情報を収集する。
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