平成27年度は、初心者が効果的に実践的な竹刀操作を習得するための指導法の改善と実践的対人技能の学習段階へより早く進むための身体移動のさせ方について検討した。また、それらの検討結果を基に、剣道競技未経験体育教員向けの剣道指導法のマニュアルを作成した。 剣道初心者に対する実践的な打突動作の指導には、従来からの基本動作の学習方法に加えて、手の裡の技術、腕と竹刀の逆二重振り子の運動、竹刀操作と身体移動の協調動作を学習させる新たな指導法を開発することが必要である。 平成26年度までは、竹刀操作の習得に鍔元に両手を寄せた握り方で竹刀先端の振り込み運動を学習させる有効性が考えられた。次の学習段階として、27年度は、柄頭に両手を寄せて竹刀先端の振り込み運動を学習させることが、腕と竹刀の逆二重振り子運動の習得に有効であることが考えられた。 また、初心者が基本動作の学習から地稽古や試合の学習へスムーズに移行するためには、対人的攻防において相手の起こりを察知し、速やかに剣体一致した打突を行うための学習が必要である。起こりについて研究し、初心者が起こりからスムーズに身体移動し竹刀操作しながら打突する方法についての指導法を報告書にまとめた。
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