本研究は保育場面における子どものアート活動をバフチン理論的な意味での対話として特徴付けることができるのかということを検証するためにおこなわれた。アートを中心として保育をおこなっている日本の一幼稚園での年間を通しての保育と夏のアートワークショップの観察、似た考えを持つ保育をおこなっていると考えられたReggio Emilia思想のプリスクールの観察、バフチンなどの文献的研究をおこなった。研究の結果、保育場面におけるアート活動はアート作品を媒介とした子ども間、ないしは子ども内の対話であること、大人はバフチンの多声的な小説の作者の役割を果たしていることが明らかになった。
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