研究課題/領域番号 |
24531158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 洗足学園音楽大学 |
研究代表者 |
澤田 篤子 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 教授 (00101262)
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研究分担者 |
山本 華子 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 講師 (00574287)
神蔵 幸子 洗足こども短期大学, その他部局等, 教授 (20289804)
長谷川 真由 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 講師 (70465392)
金井 公美子 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 准教授 (60627389)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 音楽教育 / 日本の伝統音楽 / 教材開発 / 学校教育 / 幼児教育 / カリキュラム / 地域交流 / 韓国国楽教育 |
研究概要 |
本研究課題は、①伝統音楽に関わる授業実践報告・研究論考の分析・検証、およびこれらに基づく教材開発・授業プログラムの作成、②韓国国楽教育(国楽=韓国の伝統音楽)の実状と国の国楽教育の支援体制の調査、③近隣の学校園における伝統音楽を教材とする指導実践、の3つの柱から成り、以下この区分により記述する。 ①戦後の学習指導要領における伝統音楽の扱いを含め、先行研究等をとりまとめ、その成果の一部を日本音楽教育学会の学会誌に投稿(初校済)。過去の和楽器指導の実践報告等から篠笛の授業実践プログラムを構想。伝統音楽の教材開発にあたり、近年の教材開発に関わる先行研究を拠り所に研究者が授業実践者に提供できる教材開発の視点について検討。 ②韓国仁川広域市内の小中学校9校および国楽高等学校の授業実践について授業記録と授業者へのインタビューを実施し、また韓国国楽協会仁川支部とソウル国立国楽院における国楽教育支援体制の調査、および京仁教育大学校等で国楽教育をめぐり意見交換。これらの成果を受け、次年度以降の国楽教育支援体制の調査内容を構想。韓国における2000年以降の国楽の指導に関する論考を検証し、今後の課題を提示。 ③研究機関近隣の小学校で竹材等を用いた創作活動の授業を構想・実践し、子どもたちに内在する音感覚に着目した授業分析を行い、成果を日本学校音楽教育実践学会で発表。この実践および篠笛指導(①参照)に基づき、地域交流の視点から伝統音楽の授業実践を展望し、本研究機関の学内学会にて発表。川崎市の幼稚園における伝統的な音楽や遊びに関わる調査記録に基づき、次年度以降の実践内容を構想。 なお、年度末に研究代表者・分担者・協力者計7名が本研究機関に会して平成24年度の研究成果を各々発表した上、意見交換を行い、さらに次年度の研究計画を一部見直した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示した①②③の3つの柱の各々の達成度は以下の通りである。 ①については過去の伝統音楽の授業実践に関する網羅的なデータ収集がまだ不完全ではあるが、①全般としてはほぼ達成されている。②については当初予想よりも多くの学校を調査し、また次年度に予定されていたソウル国立国楽院を訪問し事前調査をすることができ、さらに研究協力者の努力により2000年以降の韓国国楽教育の実践の動向が明かされたことから、当初計画をはるかに上回る成果が得られた。③については次年度以降の篠笛の指導実践について、当初の計画にはなかった学校と地域および研究機関の協働による活動が立案できた反面、幼稚園を対象とする調査が計画通りには進展しなかった。 以上のことから本研究課題全体としてはおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
①については研究協力者や補助員により、これまで不十分だった部分について資料収集・整理を進めていく。②については、昨年度は調査スケジュールの都合で十分でなかった国楽の授業者との授業内容に関する意見交換を充実させる。またソウル国立国楽院での教員を対象とする研修について事前調査を済ませ、先方の協力を得て実際の研修を観察調査する準備を整えている。③については竹材による音楽づくりの授業分析を継続、篠笛の授業は創作の成果を地域の祭りの子ども囃子に発展させる試みを行う。これには地域の神社の氏子や住民の協力を得ており、小学校・地域・研究機関の三者が一体となった地域連携の活動が見込まれる。以上の小学校での実践が軌道に乗ってきたため、幼児教育に重きを置いて進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は研究の③が大きく進展することになるが、当初の予想より規模が拡大することになった篠笛の実践について、経費の増大が見込まれる。これに前年度の繰越金を充当していきたい。
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