研究課題/領域番号 |
24531161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
高田 準一郎 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80454289)
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研究分担者 |
柏木 良明 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (90221176)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域学習 / 防災教育 / ESD / 災害地名 / 教材開発 |
研究概要 |
教員養成課程における授業開発として、防災教育の観点を導入した野外調査・地域学習の指導習得モデルの構築にあたった。具体的には、身近な地域の学習や地域学習の活性化をはかるために、研究項目①流域生活圏の野外調査における指導習得のための授業モデルの構築、研究項目②流域生活圏の災害地名や災害景観に着目した地域学習における授業モデルの構築である。 研究項目①では、木曽三川流域の自然環境と輪中地帯の流域生活圏を対象として、基礎的な野外調査のための巡検を実施した。観察対象は、おもに沖積平野と輪中地帯の特質の関わるもので、歴史学習との融合をはかった学習内容とした。 研究項目②では、「押切」「押堀」「抜山」「津波」などの災害地名や災害景観のある事例をとりあげ、教材の開発に必要な文献や史料、地形図、絵図(古地図)、景観写真などを活用した開発教材を作成し、授業モデルとして提示し、論文として発表した。 事例地域である長野県(七会地区)の野外調査では、災害地名や災害景観が確認でき、来年度における授業モデル構築のための教材開発の見通しを立てることができた。また、四国の中央構造線に関わっては、防災教育の観点から、教材開発の方向を検討し、論文として発表した。加えて、多自然川づくりに関わる河川環境の教材開発では、防災的な視点からも言及し、論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、実施予定の研究項目①流域生活圏の野外調査における指導習得のための授業モデルの構築、研究項目②流域生活圏の災害地名や災害景観に着目した地域学習における授業モデルの構築については、ほぼ達成できたため、おおむね順調に進展していると判断できる。 また、事例地域である長野県(七会地区)の野外調査では、災害地名や災害景観が確認でき、来年度における授業モデル構築のための教材開発の見通しが立ったことも大きい。さらに、四国の中央構造線や多自然川づくりに関わっても、防災教育の観点から論文を発表できたこともある。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究項目①と研究項目②を踏まえて、新たな研究項目③歴史学習と融合させたESD(持続発展教育)の観点を導入した地域学習における指導習得のための教材モデルの開発を実施する。研究項目③で実施するのは、応用的な野外調査の観察項目・作業内容を構築するための、防災的観点からみたこれからの地域づくりのための野外調査、都市計画図やハザードマップなどの読解、歴史的な自然災害などの把握と考察である。 また、研究項目②は継続して、現在までに開発した教材の検証を実施し、現地での野外調査を補充し、地域学習における指導習得のための教材の発展的な修正をはかる。開発した教材は、関連学会で論文として発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
巡検モデルや授業モデル、教材モデルの構築に必要な文献、史料などの図書や、地形図、絵図(古地図)、景観写真などの関連資料の収集に必要なものを使用計画としている。具体的には、自然災害・野外調査に関する図書資料や、地域教材・市町村史に関する図書資料である。 また、研究項目②に関わる災害地名や災害景観のある現地や、研究項目③に関わる教材モデルと対照させる現地で、それぞれのモデル構築のための野外調査を実施するため、必要な記録メディアや調査・研究旅費を使用計画としている。
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