研究課題/領域番号 |
24531161
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
高田 準一郎 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (80454289)
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研究分担者 |
柏木 良明 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (90221176)
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キーワード | 地域学習 / 防災教育 / ESD / 災害地名 / 教材開発 |
研究概要 |
教員養成課程における授業開発として、防災教育の観点を導入した野外調査・地域学習の指導修得モデルの構築と実施にあたった。具体的には、研究項目①流域圏の野外調査における指導修得のための授業モデルの構築と実施、研究項目②流域生活圏の災害地名や災害景観に着目した地域学習における授業モデルの構築と実施、研究項目③歴史学習と融合させたESDの観点を導入した地域学習における指導修得のための教材モデルの開発である。 研究項目①では、木曽三川流域の自然環境と輪中地帯の流域生活圏を対象として、基礎的な野外調査のための巡検を授業や演習等で実施し、受講者の気づきや感想を踏まえて、授業モデルの構築と検証をはかることができた。 研究項目②では、災害地名や災害景観のある事例に関して、地理学系の学会での研究発表や、「川の国土の未来-防災教育のあり方-」をテーマとしたシンポジウムで研究報告し、意見交流を踏まえて、授業モデルの構築と検証をはかることができた。 研究項目③では、砺波平野流域や三波川地帯、美濃街道や西国街道等、歴史学習と融合させたESDの観点を導入した地域学習における教材モデルの開発のための現地調査を実施することができた。とくに、地すべり地の棚田に着目した地域教材や、防災の観点を盛り込んだ都市計画からみた地域教材等を開発し、研究論文として発表した。また、ESDに関しては、教育系の学会による「地理教育としてのESDへのアプローチ」のテーマのシンポジウムで、コメンテーターを務めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、実施予定の研究項目②流域生活圏の災害地名や災害景観に着目した地域学習における授業モデルの構築と実施、研究項目③歴史学習と融合させたESDの観点を導入した地域学習における指導修得のための教材モデルの開発については、ほぼ達成できたため、おおむね順調に進展していると判断できる。 また、事例地域である砺波平野流域や三波川地帯、美濃街道や西国街道等、歴史学習と融合させたESDの観点を導入した地域学習における教材モデルの開発のための現地調査が実施できたことも大きい。加えて、これらの事例地域に関わって、防災教育の観点から教材モデルを提示した論文を発表できたこともある。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目①と研究項目②を踏まえて、研究項目③砺波平野流域や三波川地帯、美濃街道や西国街道等、歴史学習と融合させたESDの観点を導入した地域学習における指導修得のための教材モデルの開発を実施していく。とくに、開発した教材モデルは、授業や演習等で実施し、受講生の気づきや感想を踏まえて、学習効果を明らかにしていく。 また、研究項目①と研究項目②については、継続して開発した教材モデルを検証し、現地調査を補充し、地域学習における指導修得のための教材モデルの発展的な修正をはかる。研究項目①~③で開発した教材モデルは、関連学会などで発表し、発表内容を含めて報告書にまとめ、公表していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
現地調査に関わる必要な記録メディアや関連図書等の購入時期を一部次年度にしたため、次年度の使用額が生じた。 研究項目②と③に関わる現地調査を実施するため、必要な記録メディアや調査・研究旅費を使用計画としている。加えて、現地調査に関わる地形図や史料のほか、関連図書や地域教材等の購入も使用計画としている。また、開発研究した防災教育の観点を導入した野外調査や地域学習の指導修得モデルの内容を報告書として刊行するために必要な経費を使用計画としている。
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