研究課題/領域番号 |
24531168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
冨山 哲也 国立教育政策研究所, その他部局等, 教育課程調査官 (10413907)
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研究分担者 |
杉本 直美 国立教育政策研究所, その他部局等, 学力調査官 (40562450)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 電子書籍 / 読書 / 国語 |
研究概要 |
本研究は,中学生の読書指導における電子書籍端末利用の可能性について実証的に研究するものである。使用する電子書籍端末はSONY製のRerder G1タイプを選択した。有害図書に一定のフィルタリングをかけられる点、本体のみで電子書籍販売サイトにアクセスして書籍を購入できる点を評価した。 平成24年度は,札幌市の中学校に協力を依頼して研究を進めた。第1学年生徒31人に電子書籍端末を貸与し,1ヶ月の間に一人5000円を上限として電子書籍を購入できるようにした(漫画を除く)。期間終了後に電子書籍による読書の状況を数値データとして得るとともに,期間の前後に読書に関する意識調査を実施し,その変化も分析できるようにした。さらに,特徴的な傾向を示した生徒について直接聞き取り調査を実施した。 現時点では十分な分析は不可能だが,結果の例としては,期間中の読書の冊数が増加した生徒:18人,電子書籍が手元にあることで読書生活に変化があったこと答えた生徒:22人等が挙げられる。読書の範囲についても,電子書籍端末上の「おすすめの本」「ベスト10」等の情報により,今まであまり読まなかったジャンルの本を読むようになったという回答が複数あった。簡易に本を探して買うことができることが,読書活動に影響を与えているのではないかと推測できる。一方,期間中の読書冊数が期間前より減少した生徒が5人いた。また,本を読むスピードが電子書籍だと遅くなると回答した生徒が1名いた。 平成25年度,26年度で,他に3校の調査を行い,結果を分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度中に2校で調査を実施する予定であったが,電子書籍の購入方法(複数端末の認証,購入の決済の仕方)についてクリアしなければならない課題が多く,準備が若干遅れた。しかしながら,1校目の実施を円滑に終えることができたので,次年度以降は速やかに調査を進められる目途が立ったからである。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,2つの協力校で調査を行う。 平成26年度は,1つの協力校で調査を行う。 平成24年度の調査結果と合わせて,随時分析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の調査において,協力校の訪問,電子書籍の購入,電子書籍端末のメンテナンス,調査結果の分析,参考資料の入手等に研究費を活用する。
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