研究課題/領域番号 |
24531172
|
研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
|
研究分担者 |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | スポーツ・リテラシー / カリキュラム・マネジメント / 学びの履歴 / 目標志向性 / スポーツ観 |
研究実績の概要 |
最終年度に当たる平成27年度は,研究組織の再構築を行うとともに,以下の2つの事項について研究を進めた. 第一に,調査対象校卒業生を対象として,前年度にも実施した体育授業における学習経験に関する質問紙調査を実施し,調査結果を巡る調査対象校(小学校・中学校)の体育教師とのカリキュラム・マネジメントに関するカンファレンスを実施した.カンファレンスでは,調査結果にもとづいて児童・生徒の体育授業に対する価値意識を高めることが体育カリキュラム・マネジメント実践上の課題として共有され,1.学習カードの工夫,2.授業における「わかる(認知的内容)」を明確化した授業構成を進めて行くことの重要性が確認された. 第二に,全国6府県,16名の中学校体育教師を対象としたスポーツ・リテラシー観に関する調査を実施するとともに,該当教師の体育授業を履修した中学生を対象とした学びの履歴実態調査及びスポーツ観に関する調査を実施した.スポーツ・リテラシー観に関する調査は,教師のスポーツ観及び体育授業の目標志向性についての調査から構成された.調査の結果から,1.体育教師のスポーツ観と体育授業の目標志向性の間には有意な相関が見られないものの,社会生活におけるスポーツの価値(有用性)と人間形成に対するスポーツの意義(陶冶性)を高く評価する教師に指導された生徒は,体育授業において高い学習成果を獲得し,体育授業の価値を認知していること,2.体育授業における「できる(技術・戦術)」「わかる(スポーツに関する知識)」にかかわる目標に高い志向性を示す教師に指導された生徒は,望ましい学習への構えや高い学習成果を獲得し,体育授業の価値をより高く認知することが明らかにされた. 以上のことから,体育教師のスポーツ・リテラシー観が体育カリキュラム・マネジメントにおける規定要因として重要な役割を果たしていることが明らかにされた.
|