研究課題/領域番号 |
24531173
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐川 馨 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (40400519)
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研究分担者 |
藤野 祐一 山形大学, 教育文化学部, 教授 (70199355)
渡辺 修身 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (70333945)
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キーワード | 音楽科教育 / 郷土の音楽 / 地域の音楽素材 |
研究概要 |
本研究は,山形に係る郷土の音楽素材を①伝統音楽的素材(民謡やわらべうたなど),②西洋音楽的素材(地域出身の作曲家の音楽作品),③生涯学習的素材(特色ある音楽活動,音楽施設など)の三つに分類し,それらを活用した教材開発及び実践により,地域の音楽文化遺産の伝承と時代の要請に応じた音楽科教員養成に資することを目的とする。 25年度の研究実績は次のとおりである。 i)地域の音楽素材による教材開発および≪郷土の音楽教材e-ライブラリ≫の開設:学校教材用の編曲教材の開発とウェブ上への公開をした。また,学校現場の教員がウェッブ(Web)上から教材データの入手ができるシステムを構築した。 ii)≪郷土の音楽素材≫を活用した教員養成カリキュラムの構築と実践:ライブラリの資料や開発した教材を学部・大学院の授業実践で活用し,教材の有効性を検証するとともに教員養成の場からの地域の音楽文化遺産の伝承を試みた。学部の授業では「指揮法(担当:渡辺)」「音楽文化入門(担当:佐川)」において,大学院の授業では「音楽活動支援論(担当:佐川)」「声楽研究(藤野)」において活用した。 iii)≪郷土の音楽素材≫を活用したアウトリーチ・プログラムにおいては,教員志望学生による近隣の学校および地域における解説付きコンサートを実施した。置賜地方の小学校,中学校の鑑賞教室で大沼哲,松島彜の作品を取り上げた。また鶴岡市の市民向けコンサートで松島彜の歌曲を取り上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ライブラリの拡充・整備は順調に進んでいる。特に西洋音楽的音楽素材の資料整備は順調である。また,それらを活用した実践も概ね順調に進んだ。 アウトリーチ及び教員養成における活用は継続的に取り組みながら改善をしていく。 昨年度から伝統音楽的音楽素材の資料整備が課題となっており,26年度中に一定の目途を付ける必要がある。また,編曲教材については編成等に配慮しながら更に充実させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
ライブラリの整備・拡充が第一であるが,資料の有効な活用方法を検討したい。そのために地域の新聞等への広報活動や音楽関係者への周知に努力する。 また編曲教材については,地域の学校関係者の意見も取り入れ,より活用しやすく,編成や難易度にも配慮した教材の開発に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究内容の進捗状況によるものである。具体的には,録音資料の制作経費が不要になったためである。 録音資料の制作経費及び研究成果公開のホームページの内容充実に充てる。
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